小島健輔リポート 「セシルマクビー」が超えられなかったアパレル専門店の壁
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「アパレル専門店が時代の波をどう乗り越え、どんな変化に行き詰まったのか」というビジネス視点から同社の軌跡と挫折を語られています。
渋谷109の売上高推移や、商品調達構造が進化させられなかったことなど、いろいろ学びも大きい記事です。
(記事中で木村社長へのインタビュー記事を褒めていただいております。恐縮です!)ギャルファッションの衰退要因は、(1)支持世代が卒業して駅ビルのOLや郊外SCのギャルママとなり、(2)後継世代の人口が減少して“通過市場”(中学・高校の数年間で卒業してしまう)と化し、(3)ブランドが乱立して価格競争に陥りODM依存に流れ、(4)同質化してバラエティーも魅力も失ったことだった。そこに(5)ファストファッションが上陸して急速に多店化し、OLやギャルママ層が駅ビルや郊外SCに流れたと総括されるが、何よりギャルブランドが開発力と独自性を失ったことが大きいと思う。
ファッション業界は、ハイブランドとファストファッションの二極化が進んでいます。ハイブランドにはそのブランドに熱狂する”愛好家”がおり、そこから安定した収益を確保しています。一方でファストファッションは低コストと機能性で顧客を惹きつけます。
一番苦労しているのが、その中間に位置するブランドです。かつては雑誌などを中心にある程度のブランディングができていましたが、今はInstagramやECサイトでのプロモーションが主流となり、個人レベルが作るブランドとの差別化が非常に難しくなっています。
アパレルは原価率が低いことから、生産や流通効率の悪い個人レベルでも参入しやすく、競争環境が激化しています。店舗を構えてブランディングを行う伝統的なアパレルブランドは、今後も非常に苦しい競争を強いられることになります。