観光立国目指す日本は新興諸国化に向かっているのか?
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日本の国際収支状況(財務省データ)を見ると、主要相手国の中で貿易収支と共に経常収支も赤字なのは欧州の先進国であり、観光立国でもあるスイス、フランス、イタリアです。これらの国々はあらゆる産業製品やサービスを日本や世界各国にセールスすることで黒字を稼いでいます。
しかも、それらのほとんどが少量生産で高付加価値なものばかりです。観光産業に関しては外貨獲得だけでなく、域内経済循環を加速させ景気と税収増に寄与しています。また、国のイメージ戦略としてブランディングにも大きく貢献しているのです。
先進国は観光産業を国の経済戦略の柱として上手く利用しています。決して、GDPを大きく引き上げるためだけに観光政策を進めているわけではないのです。世の中は「go to トラベル」という英語力が乏しい日本人を曝け出すような和製英語?が物議を醸しだしてますが、敢えて言うのであれば、「go to トラブル」の方が適切に表現しているように思えます。
新型コロナウイルス感染の影響で、インバウンドに依存していた観光業界が大きなダメージを受けてますが、日本が本当に観光立国化すべきなのかを自分なりに考察してみました。なるほど、と思いながら読ませていただきました。世の中にはこのように考える人もいるのだと。おそらく観光業に携わっていない人には多いのかもしれません。
「コロナ禍で、観光業収入は激減し、観光関連企業は瀕死状態だ。観光に集中投資することのリスクが顕在化された(記事より)」これはインバウンドが激減したからだけではなく、旅行消費の大部分を占める国内旅行が控えられた結果だと思っています。
また「自国が国際情勢に左右されやすい(記事より)」のは今に始まったことではなく、今回のcivid-19に限らず、以前の新型インフルエンザなどの疫病、東日本大震災のような天災、もしくは戦争など、観光需要を下げさせるものはいくらでもあります。私たちは政府が観光観光と言い始める前から、ずっとそういう商売だと認識してやってきました。
なによりドイツの哲学者の話として挙げられていますが、「外国人観光客頼みの経済政策を採るようになることは、ある国の文明が没落に向かっている顕れだと見ている。そして観光立国とは、世界史において繰り返されてきた没落の光景なのである。国力が落ち、人々は自信を失い、人口も減少し、外国人観光客に頼らざるを得なくなる。」(記事より)とのことですが、逆に聞きたいのはそういう国(地域)に行きたいですか?私たちが行きたいのは「人々(住民)が自分たちの地域に誇りを持てる」ところではないかと思います。その誇りは経済力ですか?そうではないでしょう。自然や歴史、文化などといった地域の魅力であり、そこで暮らす人々はないでしょうか?