コロナ治療に抗炎症薬認定 厚労省、国内2例目
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デキサメサゾンは、ステロイド薬の1種で中等症以上の喘息発作でも使用される薬剤です。
一般的に喘息発作に使用されるプレドニゾロンと比較して、短期間の使用でも効果があるという報告もあります。
炎症を抑える効果が強いといえます(一般的に喘息発作時の最初に使われないのは、プレドニゾロンよ強く長く効くために副作用もでやすいからです)。
https://pediatric-allergy.com/2016/03/26/post-64/
喘息の悪化予防として使用される『吸入ステロイド薬』とは、量がまったく異なりますのでご注意ください。
吸入ステロイド薬は、長期使用しても副作用は極めて少ないですが、今回の報道で考えるデキサメタゾンの量は、長期使用は難しい量です。そして、元となった研究では、『酸素が不要な重篤でない新型コロナ感染症』では、効果を認めていないのです。
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/report/t344/202006/566106.html
むしろ有意差はないものの、かえって予後を悪くするかもしれないとも見えるような結果もでています。
研究で使用された量で継続して内服すると、確実に副作用を考えなければなりません。
あくまでデキサメタゾンは、新型コロナ感染症そのものに効果があるわけではなく、『新型コロナで呼吸障害が大きく悪化したときの追加治療の選択肢』ととらえています。デキサメサゾンは、先に治療薬として掲載されたレムデシビルとは、少し位置付けが異なる治療薬です。
レムデシビルがウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬であるのに対し、デキサメサゾンはウイルス自体への効果はなく、ウイルス感染によって生じた炎症を抑えるための薬剤です。
このため、レムデシビルがウイルスの増殖が盛んな早期から投与されるのに対し、デキサメサゾンは重症化し強い炎症が生じたケースに投与されるという違いがあります。
また、デキサメサゾンの有効性を示唆した同試験で、酸素投与を必要としない比較的軽症なケースではむしろ死亡率を悪化する傾向が示唆されたことにも注意が必要です。薬は適材適所で使用しないと、むしろマイナスに働くことを示唆する好例です。
このような働き方の違いから、両者は「使い分ける」のではなく、重症化したケースで「組み合わせる」ことでその威力を発揮を発揮すると考えられています。【『デキサメタゾン』はステロイドですよ】
朗報!新型コロナウイルス治療薬として2つ目が認定されました!
「新型コロナウイルス感染症の治療薬として、抗炎症薬『デキサメタゾン』が厚生労働省の診療の手引きに追加掲載」
臨床試験『RECOVERY試験』の要約はブログ(https://lk.hatenablog.jp/entry/2020/07/20/060000)にまとめましたが、酸素投与が必要な、いわゆる「中等症Ⅱ」以上の患者さんに効果が高い結果でした。デキサメタゾンはステロイド薬で副作用もありますので、元気な方の予防投与なんかはダメですから注意して下さい。