コロナ症状、大半の患者で共通点が判明 米CDC分析
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新規性のとても高い報告というわけではないかもしれませんが、これまでの報告は入院患者を対象としているものが多かったのに対し、本報告は対象患者の60%が自宅待機となった軽症患者となっており、より現実世界に近いデータと言えると思います。
結果として、(1)発熱(2)咳(3)息切れ、の少なくとも1つを訴えるという条件で見れば、感染者の96%がこれに該当することを報告しています。一方、3つとも揃うのは45%にとどまるということです。自宅待機の軽症患者に限れば、この数字は31%まで低下しています。
また、既報よりも小さい数字をとっていますが、嗅覚異常や味覚異常が多く出現していることを報告しています。特筆すべきは、入院した患者に比べて自宅待機となっている軽症患者でより多く嗅覚・味覚異常が認められていたという点でしょう(7&21% vs 22&51%)。
こういったデータは、症状から他の疾患と区別し、PCR検査前の事前確率を考察する上で重要なデータとなります。
参考文献:https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/69/wr/mm6928a2.htm?s_cid=mm6928a2_wこれはなかなか難しい…
>分析結果によると、これら患者の96%に発熱、せきや息切れのうちの1つの症状が出た。3つの症状全てを抱えたとしたのは約45%だった。
>最も多かったのはせきの84%、次が発熱の80%だった。息切れは入院した患者の間でより目立っていた。
とあるものの、もともとウイルス性の”かぜ”は、
1) 咳(下気道症状)
2) 鼻汁(鼻症状)
3) 咽頭痛(咽頭症状)
が同じ様に出現し、発熱を伴うことが多いからです。
▶抗微生物薬適正使用の手引き第二版
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000573655.pdf
このなかで重要なのは『息切れ』でしょう。
風邪では息切れは比較的少なく、新型コロナに限らず、肺炎などに重篤化している指標にはなります(全例ではない)。
一方で、症状から考えるときに、『起こりやすい症状』ばかりでなく、『起こりにくい症状』や、『ないことも多いけれども、あると特異度が高い症状』を組み合わせて診ていく必要性があります。
新型コロナウイルスでは、『鼻汁やくしゃみが”すくなく”』、『味覚障害が起こりうる』という点が挙げられます。
このような、一般的な風邪との鑑別は、『起こりやすい症状』ばかりでなく『起こりにくい症状』も心得ておく必要があるように思います。