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FinTech事業者は押さえておきたい決済システムの話

カンムという会社でBizDevをやっている myao です。

この数ヶ月で、大きめの規制改革の動きが加速していますね。

つい先日(7月14日)、日経が取り上げていましたが、政府が中央銀行のデジタル通貨(CBDC)の本格的な検討を開始しました。

もう一つ、大きな動きとして、今年4月に公正取引委員会が銀行間送金手数料の見直し等に関する報告書公表しました。これを受けて、5月に全銀協にてタスクフォースが設置され、ノンバンクによる全銀システム参加も視野に入れた議論が開始されています。

ノンバンクの全銀システム参画の検討において、どのようなスキームが採用されるのか。選択肢はいくつか考えられますが、英国のファスター・ペイメント・サービス(FPS)という小口決済システムでは、ノンバンクの接続が認められており、一つのベンチマークになりそうです。ちなみに、最初にFPSに接続したノンバンクはTransferWiseで、2018年のことです。

これはあくまで一例ですが、改革の行く先を理解するためには、現在地としての日銀ネットや全銀システムといった国内の決済システムの仕組みを知る必要があります。

幸い決済システムについては日本銀行、全銀ネットをはじめ、民間でもNTTデータ社やNRI社からそれなりの量のレポートが出ていますので、大抵のことはググれば出てきます。

体系的に決済システムを理解したい人におすすめの本が「アフタービットコイン」の著者でもある中島真志先生の「決済システムのすべて」です。(自分なんぞ2冊も購入してますよ... 1冊4,400円...)

最近、新著「アフター・ビットコイン2 仮想通貨vs.中央銀行」も出されているので、CBDCの理解を深めたい方はこちらもおすすめです。(中島先生の本のオススメばかりしていますが、回し者ではなく、ただのファンです...)


ここからは宣伝です。

最近社内で決済システムの勉強会を5回シリーズで開催しているのですが、体系的に決済システムについて学ぶ機会は少ないのでは?という感覚もあり、社外の方向けにオープンな形で、さらに圧縮して3回シリーズで勉強会をやります。

第1回の詳細はこれです。

第2回:日本の決済システム
第3回:イギリス/アメリカの決済システム

と続きます。

各回の内容を一部ピックアップしてご紹介しますと、初回は、決済プロセス(下図)、決済のリスクと流動性、2つの決済システム(DTNSとRTDS)あたりをカバーする予定です。決済システムの前提となる基礎的な部分を網羅的に理解いただける内容になるかと。

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出典 :「国内の銀行間振込業務におけるブロックチェーン技術の実証実験
に係る報告書」(ブロックチェーン研究会)

第2回(日本)では、日銀ネットと全銀システムに関する具体的な話をします。下の図はやや古い(2007年)の資料ですが、国内の決済システムを俯瞰したもの。

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出典 :「流動性と決済システム」(日本銀行) ※一部筆者加工

今の全銀システムと日銀ネットの資金の流れ(下図)についても、もちろん触れます。決済システム発展の歴史や、決済リスク低減のアプローチの違いあたりも面白いです。

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出典 :「全銀システムの高度化に向けた取組み」(全銀ネット)

第3回は、英米の決済システムに触れつつ、下図のようなP2Pのリアルタイムペイメント(Paym, Venmo, Zelleなど)の裏側の仕組みや、冒頭で触れたFaster Payment の話に触れながら、日本の将来の決済システムどうなるんや談話ができれば、と思っています。

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出典 :「北欧および米国・英国における個人間送金サービスに係る現地調査」(全銀ネット)


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