コロナでSDGs達成危うい?フードデリバリー増に伴う、使い捨て容器の急増と悪化するプラごみ問題
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リサイクルや焼却のインフラが整っていない国でのプラスチックごみの急増は、公衆衛生悪化を引き起こし、非常に深刻です。
日本独特の問題として、一般廃棄物の排出の中でも、事業系か家庭系かで取り扱う業者が異なるため、事業系一般廃棄物の許可をもつ業者がコロナ下で仕事がない状況にもかかわらず、家庭系一般廃棄物処理現場の取り扱い量が増えて稼働が間に合わないという不均衡が発生しました。
また、家庭からの衣料品廃棄が増加したが、国内でのリサイクルルートは少なくて稼働が追い付かず、これまで頼みの綱だった海外でのリユース・リサイクルもリサイクル品(ウエスなど)の需要減少やコロナによる受け入れ制限等で頼りにならず、焼却しようにも自治体焼却炉はプラごみ等で手一杯で処理ができない。結果として処理施設で古着の山が積まれ、各自治体はしばらく衣料品を捨てずに家庭での保管を呼び掛ける、というようなことが起こりました。
こういった非常時に観測できた歪みに目を向け、循環フローや制度について見直しを行う機会とし「転んでもただでは起きない」としたいものです。もちろん、ポイ捨てをしないことは大前提です。
なお、フードデリバリーの再利用容器化は、日本でも出前としてできていたことですから、可能ではあると思いますが、容易の規格や回収システムを統一してどのデリバリーサービス提供者でも回収を行えるような仕組みを作っておくとよいと思います。短期間でデリバリーを頼む場合に容器を引き取るのは、次に配達したデリバリー業者となります。これによって回収のためのコストやエネルギーが削減できるのではないかと思います。シンガポールあたりが国を挙げてやりそうですが、日本の場合は大手デリバリー業者がチームを組んで実施する形が現実的でしょうか。リサイクルの仕組みが整っていない国から特に目立ってくる問題ですが、もちろん日本も他人ごとではありません。
日本の場合は、プラごみのリサイクル率が高く、特にサーマルリサイクル=燃やして燃料にする、がその半数以上を占めるといわれています。なので、燃やして大気中の二酸化炭素濃度への影響、つまり地球温暖化に対する影響が少ないバイオマス25%以上を含むビニール袋が推奨されているのでしょう。
今月からのレジ袋有料化でも、各飲食店は頭を悩ませてきた問題ですが、バイオマス25%のビニール袋に切り替えるところが多く出てきています。
もちろんそれだけでは抜本的な策にはならないので、容器の簡素化や再利用も含めて試行錯誤していかねばならないと思っています。EU圏内では来年夏から使い捨てプラスチックの食器類が禁止されるため、宅配や持ち帰りの食品容器も非プラスチック製に切り替わり始めています。外食控えてデリバリーのニーズは引き続き高まるだろうから再利用可能な容器をシェアするビジネスなどが出てくると面白い。