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【経営論】ネスレに学ぶ「これからの企業」の生きる道

NewsPicks編集部
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  • ケイアンドカンパニー株式会社 代表取締役

    ネスレで37年間お世話になり、ピーター・プラベックを師と仰ぎながらCSVを実践してきた私自身も、この連載で名和さんからご紹介頂いたのは嬉しい。昨年ピーターが日経主催の世界経営者会議に招かれた時、経済同友会のSDG研究会のメンバーの皆様にも、CSVについて語ってもらった。それほどまでに、私自身も日本の経済界ではまだまだ真の「SDG経営」なるものが理解されていないと危惧したからだ。そもそも国連のSDGも、ピーター・ブラベックがダボス会議で訴えたCSVがきっかけで採決されたものだからだ。
    彼は、自分自身が提唱したCSVの概念を広く世界に広げようと、元々CSVに興味を抱いたマイケル・ポーターに、彼の理論であるかのように世界に広めさせた。私は、そんな彼のやり方に感銘を受け、イノベーションを「顧客が解決を諦めているような問題のソリューション」と定義づけ、フィリップ・コトラー教授と共有した。
    ユニリーバのポール・ポールマンも、ネスレの上級副社長時代に直接会い、議論をしたことを覚えている。まさにマーケティングの人であった。ピーターがポールを自分の後継に選ばなかったのは、お互いが余りに能力的に優れていたので、会長と社長の二人三脚にそぐわなかったらからだろう。そんな偉大な経営者と一緒に仕事が出来たことを誇りに思う。
    CSVは「社会的課題の解決」。まさに、私の言う「顧客の問題解決」というマーケティングそのものだ。そして、その達成度を図る目標としてSDGsが採択された。CSVやSDG経営が事業の利益ある成長に繋がるのは、正にマーケティング戦略だからだ。日本の経営者の多くが、社会的課題に立ち向かい、CSVを実践することを心から期待したいし、それはスタートアップの企業家にも当てはまる。


  • 一橋大学ビジネススクール客員教授

    連載2回目の今回はヨーロッパのCSV先進事例を取り上げます。ネスレやユニリーバの例は有名ですが、私の1押しは実は3社目にあげた北欧企業、ノボノルディスクファーマです。糖尿病に全身全霊で向き合い、治療だけでなく予防や未病にも真剣に取り組んでいます。

    私がマッキンゼーのコンサルタントとして同社と出会ったのが、1990年代の半ばです。CSVが提唱される20年近く前から、同社はトリプルボトムライン(TBL)という経営理念を実践していました。経済的なボトムラインに加えて、社会的ボトムラインと環境的ボトムラインの3つを目標にするという考え方です。

    これらを3つのPで表現しています。すなわち、Profit、People、Planet。そしてその真ん中にあるのが、もうう1つのP、すなわちPatient(患者)です。しかもその裏側に、5番目のPが息づいているのが感じられます。それがPurpose(志)です。このような経営を、私は「Purposism(志本経営)」と呼んでいます。

    もちろん、きれいごとを並べているだけではありません。なんといっても、彼らのROEは80%を優に超えているのですから。日本のコーポレートガバナンスコードが8%を目指そうといっているのに対して、まさに「ケタ違い」です。社会価値と経済価値を高い次元で両立させているCSVのチャンピオン企業です。ご興味を持たれた方は、ぜひ同社のベック日本支社長と私の対談をご覧ください。
    https://www.novonordisk.co.jp/about-novo-nordisk/novo-nordisk-in-brief/interview01.html


  • NewsPicks 編集委員

    名和先生のイチオシはノボですが、私は前職でスイスにまで取材に行き、ネスレを徹底研究しました。ピーター・ブラベック氏へのインタビューを通して、日本の大企業トップとのスケールの違いを感じさせられました。

    もちろん自社の利益は重要ですが、それ以上に地球の未来について真剣に考えているように映りました。人類のこれからを心配しながらも悲観的にならず、ポジティブで力強いブラベック氏の眼光に圧倒されたことを、今でも覚えています。

    そのブラベック氏が世界に先駆けて実行したのが、CSVです。しかし私は、ネスレはまだ社会価値と経済価値を完全に実現できてはいないように感じます。

    ウェルネス企業への転身を遂げつつありますが、一方で、ペリエやサンペレグリノ、コントレックスなどのボトルウォーターを水源地である欧州から世界中に運んで販売する理由は、CSVの文脈では説明できない気がします。

    ブラベック氏が目指した「金融資本主義の次」のモデルは、本当に実現できるのか。壮大な実験の先行きに、これからも注目したいと思います。


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