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大切なのは稲葉先生もおっしゃるように「研究は始まったばかりなので、わからないことの方がたくさんあります。更なる研究の積み重ねで理解が進んでいきますので、その都度1つ1つ追っていきましょう」なのですが、なるべくわかりやすいように要点を抽出して背景を解説いたします。
抗体による応答は、ウイルスに対する免疫応答の中で複数あるうちの1つです。B細胞が分泌する抗体は血液中を循環するので、その他の免疫細胞応答に比べて量や機能を継時的に測定する実験をデザインしやすいのです。したがって各国の研究者が研究対象としていますし、今後も次々論文が出されて知見が蓄積しやすいと考えられます。
この研究では、患者と医療従事者を合わせて90人以上に対し、90日以上の長期間にわたって血液中の抗体を解析することで動態を探ろうとしました。主に分かったことは、彼らが解析対象とした人々において、病気が重いほどウイルスの感染能力を奪う機能を持つ中和抗体の量が多いこと、しかし重症度にかかわらず時間と共に減少していくことです。
重症の人が何故中和抗体が多いかメカニズムは不明ですし、症状が無い方にも中和抗体をたくさん作れる人がいたりもします。また血液中の抗体が測定可能域を下回ったからといって、免疫が無くなったとは断定できません。仮にその状態で再感染したとしても抗体が1回目より効率よく立ち上がり症状は軽くなるのかもしれません。一方で、抗体が中途半端にあることが症状を悪化させる現象があるのですが、新型コロナウイルス感染症でそれが起こることがあるのかもまだ分かっていません。
抗体がどれだけ持続するのか?この疾患において抗体はどのように効果を発揮するか?を理解するには、今後もヒト検体や実験動物を用いた実験をどちらも時間をかけて重ねていき、知見を積み上げていく必要があります。これまで免疫関連の解説を過去のコメントに織り交ぜてきました。ご興味がありましたら、私のプロフィールとPickをご覧になってください。
https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2020.07.09.20148429v1
抗体が維持される期間と、どの程度の抗体価が感染予防として必要なのか、については、今後非常に重要な要素となってきますし、
今後、各国から同様の研究結果がでてくると思いますので、他の研究とも一致するのか、
ワクチンにより獲得される抗体についてはどうなのか、
など、
さらなる研究が待ち望まれます。
抗体価が十分あれば、再感染しないのか?そうだとすれば、どれほどの抗体価が必要なのか?という部分がまだわかっていません。抗体検査は「生体外の反応」をみているわけですが、生体内で実際にどのような反応が起こるのかは検証が難しいです。どれほど濃厚な暴露があるかどうかにもよる部分が大きいわけですが、それらの閾値を臨床研究で検証するのは倫理的な問題を伴います。