この連載について
信用調査のプロである帝国データバンクの記者たちが、NewsPicksだけでお送りするオリジナル連載「こうして企業は倒産する」をリニューアルしてアップデート。話題の倒産を追う「倒産ルポ」、マクロの倒産動向の解説、最新の産業トレンド、独自の特別企画レポートなどを毎週木曜日にお届けします。
この連載の記事一覧

【速報・年間集計】2020年の倒産は件数・負債額共に今世紀で最少
NewsPicks編集部 405Picks

【2021年予測】淘汰が始まる企業の傾向
NewsPicks編集部 451Picks

【悲劇】創業者が急逝したセレクトショップの最後
NewsPicks編集部 190Picks

【倒産解説】"大企業の関連会社"の落とし穴
NewsPicks編集部 285Picks

【倒産】名門アパレル「レナウン」消滅への道
NewsPicks編集部 271Picks

【解説】上半期の倒産、15年ぶりに4000件下回る背景
NewsPicks編集部 321Picks

【実録】事故物件が増える理由
NewsPicks編集部 289Picks

【数字は語る】コロナに弱い業種は「固定費率」でわかる
NewsPicks編集部 745Picks

【解説】上場企業の資金繰りは、コロナでどう変わったか?
NewsPicks編集部 374Picks

【解説】コロナで「M&A」業界は、どう変わったか
NewsPicks編集部 535Picks
余談だが、テレビ番組で倒産取材の模様が放映されるなど、「企業倒産」というテーマがこれだけ世間の注目を集めるのは、2008年のリーマン・ショック以来。現時点ではまだ、倒産件数の水準自体はリーマン時を大きく下回っているが、今後の第2波次第で一気に勢いを増す可能性は十分ある
日本政府は骨太方針で、当面は国内需要を喚起する、としています。日本の感染者がふたたび上昇傾向にあるなか、Go Toキャンペーンのような移動を促進するものではなく、観光地を救済する方法はないものでしょうか。
雇用調整助成金が終了する9月末以降の雇用維持、また借入の据え置き期間が終わるタイミング。この辺りは一つの山になってきます。
そう考えると、いわゆる「倒産」の定義を法的整理に限ると実態から乖離したものになります。実際には、コロナ禍をひとつの契機として、コベナンツにヒットしたり(=期限の利益を失っている)、債務弁済ができなくなっている企業は無数にあり、これらだって実態としては倒産に限りなく違い。
ここで言う「倒産」が少ないのは、裁判所の実務が止まっていたことに加え、債権者である金融機関が一時的に弁済を猶予したからに過ぎません。本当の問題は、金融機関のモラトリアムがなくなり、過剰債務に陥っている企業がいよいよ弁済に行き詰まる来年度からです。
抜本的に社会的意義がある企業を救うためには、過剰債務を解消するしかなく、来年度は私的整理手続きによる債務免除か、ファンドによる債権買取が本格化するはずです。そのために金融機関に対して巨額の公的資金枠が用意されているのです。
弁護士費用だけでなく裁判所に納める予納金が高額なので、そのお金すらないところはズルズルと消滅していきます。
私が修習生だった頃、
「破産するような人や会社が、弁護士費用や予納金を払えるのですか?」
と、某弁護士に尋ねたら、
「どっかから持ってくるんだよ」
という回答をくれました。
その後、弁護士になって破産申立事件を受けるようになって、理解できました。
個人破産の場合は親族等が出してくれることがほとんどです。
法人の場合はいろいろですが、経営者等が当面の生活費として蓄えていたお金の中から出すケースが多かったですね~。
もちろん、
「破産するのにお金がいるのか!」
と怒りまくって出て行った人もたくさんいましたが・・・。
その裏には、金融機関が、5月末時点で11.6万件もの融資条件の変更依頼を受けており、何とか倒産を免れている中小企業が多く存在するという事実があります。
これからの注目点はこれらギリギリの経営を強いられている中小企業が、どこまでもつか… 資金繰りもさることながら、苦しい中で経営を続けていく気力の維持が問題になると思います。
以前から気になっているのは、感染モデルは数多く構築されているにも関わらず、経済モデルや倒産リスクのモデルは、記事などで見たことがないことです。
BlackRockや、GoldmanSachsなどは、内部では、そういったものを構築して、活用することで利益を出していると思いますが、そこまで精度が高くなくても、ある程度公開できるものがあると良いと思います。
経済学の分野を専門とされている方々の活躍の場だと思います。
※個人的な見解であり、所属する会社、組織とは全く関係ありません