新しいことを何か行うというのは、必然性(reason)が重要だという話だと理解しました。皆、ロジック(why)でのみ考えてしまうのですが、少し次元の違う話をしているのです。ここが吉松さんの語るポイントだと思いました。 A or BではなくA and Bを成り立たせようとすると、論理的にはもう一つ別な軸が必要になります。AかBを選択して、どちらかを深める学習と、相矛盾する命題を両立させる軸を構築する学習は、学習の次元が異なり、後者は拡張的学習などとも呼ばれます。そして、吉松さんは後者をやろうとしているわけです。 よくやってしまうのは、新しい変化が起きているというときに、Aを捨てていきなりBにジャンプしようとすることです。それは組織的な必然性が伴わないので、内部淘汰される場合が多く、仮に内部で淘汰されなかったとしても、市場環境によって外部淘汰されてしまいます。なぜならば、必然性がない=ギャップが大きすぎるため、学習できないからです。
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化粧品クチコミサイト「@cosme(アットコスメ)」を日本最大のコスメ・美容の総合サイトに進化させ、EC事業、実店舗のほか、SaaS型のマーケティング支援サービスなどを展開するアイスタイル。
1999年7月の創業以来、生活者情報を一気通貫して分析できる独自のデータベースを構築し、ユーザーとメーカーをつなぐことで、「生活者中心の市場創造」を目指してきた。
ITバブルの崩壊や現在のコロナショックに直面しても、そのビジョンは揺らがない。インターネット黎明期から業界の常識にとらわれることなく、果敢に変革に挑んできた創業者・吉松徹郎氏に、「マーケットデザインカンパニー」を掲げ続ける経営哲学を聞いた。(全7回)
■第1回 コロナ苦境の化粧品業界、どう戦うか?
■第2回 「逃げ」の選択は後悔することになる
■第3回 アクセンチュアで死ぬほど働き、学んだこと
■第4回 準備に時間をかけてもリスク低下にならない
■第5回 成功するために重要な「3つのこと」
■第6回 世の中にないビジネスをどう伝えるか?
■第7回 「箱」としての会社はレガシーになる
このコロナショックによって、働き方や社員の意識改革が進む中で、そもそもの前提を疑って新しい価値を定義していかないと、会社という箱だけでなく、その箱の中にいる社員の考え方や価値観もレガシーになっていってしまうなと思いました。
一瞬ドキドキしました。
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人は「Aか、Bか」と問われたらそのどちらかを答えるけれど、吉松は「そもそもなんでAとBなの? AとBにCを足したら、全部成り立つんじゃない?」みたいな答え方をする。だから、理解されないんだよ
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わかります。ほんと伝えたいのに、伝わらない。
言葉一つとってもわかりやすいことが、今商品を売るために大事だとは思いますが、今あるものを売るために私たち起業家は起業家してないんですよね。
でも、リアルとネットが融合されていく世界では、この二律背反な事象を解決する斜めな発想が大事なんだと盲信しております。
折れない心。
先輩を見習って、今日も走る!
強く同意する。コロナによって、それがさらに炙り出されてきたように思う。
日本、ミャンマー、アメリカ、本社勤務、駐在員、現地採用、現地の社員、時短勤務、リモートワーク、副業、、、と私の会社でも働き方が多様になっている。
本来労働者を保護する目的で積み上げられた労働関連の法体系と、それに従わないといけない会社という枠組みと、選択肢が増えて自由に働きたい個人が、会社ー社員という固まった枠組みではいい関係を築くことが難しくなってきたと日々感じている。
A or BではなくA and Bを成り立たせようとすると、論理的にはもう一つ別な軸が必要になります。AかBを選択して、どちらかを深める学習と、相矛盾する命題を両立させる軸を構築する学習は、学習の次元が異なり、後者は拡張的学習などとも呼ばれます。そして、吉松さんは後者をやろうとしているわけです。
よくやってしまうのは、新しい変化が起きているというときに、Aを捨てていきなりBにジャンプしようとすることです。それは組織的な必然性が伴わないので、内部淘汰される場合が多く、仮に内部で淘汰されなかったとしても、市場環境によって外部淘汰されてしまいます。なぜならば、必然性がない=ギャップが大きすぎるため、学習できないからです。
「売るツールや場所などが変わることで、そこに新しい価値が加わってきているのだと感じています。そうした中で、アイスタイルの新しいスタイルをいかに考えていくかが問われています。そのときにキーとなるのは、リアルの事業をどれだけ再定義できるかだと思っています」
様々な流通チャネルはあるでしょうし、方法もあると思うのですが、事業を拡張的に成長させるために必要な思考が学べた気がします。何度か読み返したい記事です。