この連載について
ビジネスや働き方が多様化し、正解がない時代に、自分を信じて一心に仕事をする人たちがいる。そこにあるのは独自の「哲学」だ。仕事人のヒストリーをたどり、道標となった哲学を浮き彫りにしていく。
この連載の記事一覧

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【鈴木啓太】「知恵と勇気」オシムの言葉で勝つ
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【みんチャレ CEO】行動を変えて、健康で幸せな人生をおくろう
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【みんチャレ CEO】人はどうしたら「幸せ」を感じるか
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よくシリコンバレーはディズニーランドと例えられますが、GoogleやFacebookのキャンパスで食事するという、まるで派手な「スプラッシュ・マウンテン」だけを見てわかった気になるのが一番危ないと思います。大事なのはその差分です。どこに何ができ、何が潰れていったのか、注意深く見る必要があります。もう一つ大事なのは京都の様なクローズドなネットワークです。どれだけ住むというよりも認められているかどうかで情報の入り度合いが違います。これも差分を見ないとわかりません。
この差はなかなかメディア、白書には出てきません。記者の方の多くはローテーションですし、特にTVでは出てこないでしょう。なぜならTV局のアメリカ支局はほとんどNY、ワシントンDCかLAにしかないからです。なので、2年に一度は自分で見に行って、その違いを見る必要があるのです。特に、この新型コロナで行きにくくなってはいますが、その間もテック企業は問題なくリモートで働いているので、変化は起こり続けています。見えない、伝わっていないことが、日本企業にとって長期的・将来的に大きな打撃にならないかと危惧しています。
「人とのつながりは大事」
私も完全に賛同します。NP内でもしつこいくらい何度も発言していますし、若い人たちに「今後生き残るために必要なもの」を伝えるチャンスが有るときには常に「人脈と体力」というようにしています。
社会に出る前って、なぜか社会はオープンでフェアだと思い込んでしまうんですよね。そんなわけない。学歴だって職歴だってそこにいたことがすごいのではなく、そこで得た人脈のポテンシャルを評価されているのだと思います。
こういう話をすると、「だから日本は嫌なんだ。自分はフェアな海外のほうがいい。」と思われるかもしれませんが、自分の体感的には海外のほうがもっとウェットで人脈を大切にしているイメージです。国籍も受けた教育も宗教も人種も違う人達とやっていく上で人からの紹介というのは最重要ファクターの1つ。
本当に間違いなくて、僕が東南アジアでビジネス展開を短期間でできたのも情報と人のつながりという財産を取りに行ったからです。
常にアンテナを張って情報を取りに行くことが、成功への挑戦の近道だと思っています。
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京大、東大、ハーバード、三菱東京UFJ銀行、ニューヨーク、グーグル、シリコンバレー、ベンチャーキャピタル……。DNX Venturesのインダストリー パートナー、山本康正氏の略歴には多様なキーワードが並ぶ。
しかし、その軌跡に目を凝らすと、単なるエリートとは違う「意志」が透けて見えるはずだ。その意志とは、「理系と文系」「民間と政府」「日本とシリコンバレー」など異なる分野の架け橋になりたい、というもの。異なる分野をつなぐには、広く、かつ深い知識を学ばねばならない。
キャリアを進めるたびに未知の世界へ飛び込んでいく山本氏の軌跡を追いつつ、働くうえで大事にしている「仕事の哲学」を聞いた。(全7回)
■第1回 最新テクノロジーの知識がなければもう成長できない
■第2回 何をするにも「お金」の勉強をしないと話にならない
■第3回 先を読み、「10年後」を考えて動く
■第4回 いい情報はオープンではない。自分から取りに行け
■第5回 人間は環境の動物。自分が伸びる場所に身を置こう
■第6回 シリコンバレーのVCは日本企業をどう見ているか
■第7回 これから勉強すべき「4つの知識」