米、香港への優遇措置縮小に着手 防衛機器輸出など停止
コメント
注目のコメント
中国は、政治的には香港を完全に共産党の掌握下に置き、一方で経済的には「一国二制度」による香港に対する優遇措置を継続したいと考えるでしょう。しかし、米国から見れば、中国共産党に掌握された香港を大陸と区別することはできなくなります。特に、防衛機器や軍民両用技術のような安全保障に関わる分野では、香港との取引がそのまま大陸につながると認識されるでしょう。
香港の経済規模はすでに中国全体に占める割合が小さくなっています。香港のGDPが中国全体のGDPに占める割合は2%程度なのです。以前は20%以上あったこともあるのですから、中国共産党が、中国の経済発展における香港の役割は終わった、と豪語して米国の優遇措置停止など怖くないと虚勢を張るのは全く根拠のない話ではありません。
それでも香港が重要なのは、経済活動における「信頼」があるからでしょう。中国大陸内の経済指標はどこまで信頼できるのか疑問が呈されることもありますが、香港が示す経済指標は世界で信頼されています。また、中国は、大陸に直接輸入できない製品を、香港の特別な地位を利用して輸入したりもしていました。
米国の香港に認めてきた優遇措置の廃止は、経済規模の代償よりも、香港に対する経済的信頼を損ね、ひいては中国の信頼を損ねかねないものです。中国が、いくら香港の役割は終わったと虚勢を張っても、強く反発せざるを得ないのは、中国自身もそのことを理解しているからだと考えられます。