NY株、1カ月ぶり安値 730ドル安、米感染増懸念
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NY株式相場は大幅反落。
5月個人消費支出(PCE)が前月比+8.2%と過去60年間あまりで最大の伸びを示しましたが (前月は-13.6%と過去最大の下落)、月間の支出額は依然として数カ月前をはるかに大きく下回っており、完全な回復までには時間が掛かることを示唆しています。
数字的には5月個人消費支出が記録的な改善を示したものの、以下の要因で市場は下落幅を大きく広げる結果となりました。
(1) 米国内の新規感染者が過去最多を更新したと報じられたこと
(2) 新型コロナウイルスの感染拡大でテキサス州がバーの営業など経済活動の一部を再び停止したこと
(3) FRBのストレステストの結果、金融機関に対し7~9月期の自社株買いを禁じ、株主配当に上限を設けると表明したこと
(4) 赤字決算を発表したナイキ株の下落
(5) 米中関係悪化への懸念ー米上院は25日、香港の自治侵害に関わった中国当局者らに制裁を科す「香港自治法案」を可決。米国が香港問題などに干渉すれば、米中貿易協議の「第1段階合意」に盛り込んだ米国産品購入の順守が危うくなると、中国側が米側に警告したこと
(6) 英ユニリーバーがフェイスブック、ツイッターへの広告掲載を取りやめると発表したこと
と、市場マイナス要因が目白押しとなった状況でした。これらを受け、フェイスブックが8.32%安、ツイッターが7.40%安となり、グーグルの親会社アルファベットも5.45%下落。下落率2位の金融では、ゴールドマン・サックスが8.65%安、バンク・オブ・アメリカが6.35%安となり、JPモルガン・チェース、シティグループも5.5%下落しました。
昨日のコメントで、私は偶然にも上述の(5)の懸念を指摘しましたが、正に本日それが的中し市場にマイナスの影響を与えたと言えます。この中国問題と新型コロナウイルス感染第二波はトランプ大統領の頭痛の種となるのは間違いなく、どのような対処法を採るかによって、11月の大統領選への影響は否めないと思われます。
相場全体のセンチメントは直近高値の27,500台を超えるほどのエネルギーはなく、レンジを上抜けするよりも下値へ調整する動きの雰囲気が醸し出されてきているようにも見受けられます。経済再封鎖、トランプ落選の可能性が高まってきた。
7月は米国の追加経済対策、欧州の復興基金創設合意がプラス材料となる可能性があるが、すでに織り込み済みで「事実で売れ」になる可能性も。