ASEANの貴重な歴史的文化遺産をデジタルアーカイブ!
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文化遺産を通した一体感の醸成。
コロナ禍によって物理的にも精神的にも世界が分断されつつある中、喜ばしい取り組みだと思います。
また、アプローチから日・ASEAN統合基金の運用に漕ぎ着けるまでの流れも素晴らしいです。
こちらの想いが相手に届いた、ということでしょう。
> 「ASEAN事務局及びASEAN各国が抱える『一体感の醸成』という課題に対して『AMLAD』を適用できるのではと考え、在ASEAN日本政府代表部の方を通じてASEAN事務局の皆様とお話させていただいたのが、そもそもの発端です。国立国会図書館様やバチカン図書館様などとの実績もご紹介しつつ、文化財保全・活用にかける我々の想いをお伝えし、その意義に共感していただくことができました。本プロジェクトを日本政府が拠出する日・ASEAN統合基金によって実施することも、そうした中で決まっていきました」
注目のコメント
東南アジアに限らず、アジア、中東、アフリカの文化遺産のデジタルアーカイブを最も充実させているのは、点数からいえば、英国のブリティッシュ・ミュージアムとブリティッシュ・ライブラリーでしょう。
https://www.britishmuseum.org/collection
https://www.bl.uk/catalogues-and-collections/digital-collections
彼らは貴重な文化財の所有点数において、現地各国をはるかに凌駕しています。地域を越えた文化財を総合的に考察することで、グローバルな歴史を描くことが可能です。
ASEANという単位で、ASEANの諸国に残る文化遺産をデジタルアーカイブ化して一つのウェブサイトで見られるようにするのは、ASEAN統合という政治的目的があってのことです。
https://heritage.asean.org/collection
ASEAN統合は、日本の主要な外交目標の一つです。ヨーロッパのように、ASEAN域内で紛争が無くなり、サプライチェーンと流通網が張りめぐらされ、市場として急成長していくことは、日本にとっても多大な利益となる、という考えがあります。日本政府からのASEANのための支援は多岐に渡りますが、まずインフラ整備、法整備や教育、行政の整備、等々あり、文化的な統合もその一環です。
それはともかく、このACDHAの場合、特徴的なのは、3D化を進めていることもあり、舞踏や演劇などの芸能もまたアーカイブ化されていることですね。古文書や彫刻は、現物を残すことはできますが、東南アジアで消えていっている伝統芸能、特に地方の大衆芸能は、非常に多いです。まだ始まったばかりで点数は少ないですが、そういう文化を可能な限り保存することは、後世になるほど、評価が高まるでしょう。人口6億5000万人を超えるASEAN全域の歴史的文化遺産をデジタルアーカイブとして集約する一大プロジェクトが動き出しています。これまでも「人類の資産」と呼べる様々な資料をアーカイブをてがけてきたNTTデータ。多様性に富んだ国々を擁するASEANならではの意義、立体造形物の3Dデータ化という新たなチャレンジの舞台裏に迫りました。