ECBは政策金利のマイナス幅を実質的に拡大
東洋経済オンライン
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ECBは資産購入の大きさばかりがクローズアップされがちですが、先週発表された資金供給規模の大きさは入札1発でこれまでの資産購入規模を凌駕しました。借り換え分を差し引いても5400億ユーロ以上は超が付くほどの巨額となります。マイナス金利になっている政策金利を創意工夫して資金供給することで実質的には「影の政策金利」としてもう1つの刺激効果を狙っているように思います。この辺りを解説させて頂きました。
内容は分かり難いが、中央銀行が一定条件の下で、マイナスとなっている準備預金付利より更に低い金利で金融機関に貸し出せば、金融機関は中央銀行からそのような資金を借り入れ準備預金で置いておくだけで利益が出る。そこでの条件とは金融機関が企業などに貸し出しを増やすことであるが、その条件がかなり緩くなってきたらしい。本来マイナス金利政策では、貸出増加などの条件に依らず、以上のような利鞘が出ないように準備預金付利を中央銀行から借り入れる金利と連動させることで、金融機関が貸出し金利との利鞘で利益を出すことができるようにするものである。政策金利とはそういう中央銀行がコントロールしている金利のことだ。もちろん貸出しではなく債券を買ってもよい。そうして貸出し金利や債券金利が低下することで金融は緩和される。従って、今回のECBの措置には、景気対策とは別の金融危機を未然に防ぐ意図があったのだろう。