新型コロナ発症から10日で退院可能 厚労省、4日短縮
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この変更により、米国CDCなどとのズレがなくなりました。諸外国では早くからこの10日を採用してきましたが、日本ではより大きくセーフティマージンをとった14日という基準が採用されていました。
この10日には、しっかりと科学的根拠も存在します。当初からPCR検査が長期に陽性になるケースが報告されていますが、複数の研究で、発症後8-9日を過ぎると、PCRは陽性になっても、そのウイルスはすでに失活しており、増幅できないことが分かっています。
このように、PCR陽性というのは、ウイルスの遺伝子がまだそこにあるということを意味しているだけで、そのウイルスがまだ活動できるか、他の人に感染しうるかはまた別問題です。
このように、検査結果ではなく、「時間」を用いた判断は、検査以上に正確な手法になりえます。検査偏重主義の現代において、誰にでも目に見えて分かりやすい「検査結果陽性」が持つ意味は、必要以上に大きな意味を持たされがちですが、ウイルスの動きを考える上でこの「時間」はとても大切な要素なのです。
なお、抗原検査や抗体検査も、それらを肩代わりする検査にはなりえません。この理解はとても大切です。検査感度を考えてもそもそも退院に検査陰性は必要ないでしょう。この件に限らず今後も検査は一つの指標に過ぎず総合的に臨床判断することが大変重要で、そのことをメディアも取り上げるべきだと思います。入院日数も欧米に比べて日本はとても長いことは昔からの課題となっています。入院は治療に専念できて良いことと考えられがちですが、認知機能や身体機能の悪化などデメリットもしっかり知る必要があります。
科学的根拠をもとにPCR検査が必要なくなり、発症から10日間と短縮になりました。入院させていた病院としてはベッドの稼動率は数段良くなります。今までPCRの2回を確認するために症状がほとんどなくても1ヶ月程度かかる方もいました。
一つままだ懸念事項があります。退院に関しては入院のしていた病院の都合のみでいいのですが、発症から1ヶ月以上経っていたとしても、リハビリのために他の病院への転院する際にPCR検査の陰性確認やCTでの評価を求められるケースが多く見られます。
追加でPCR検査をすることは患者に苦痛(鼻に棒を突っ込むので鼻血が出る人もいます)を与えますし、CTは放射線被曝による発癌リスクを増やしてしまいます。同じ医療者からそういった事を要求され、やるせない気持ちになっています。
早く全ての医療機関がこのコンセンサスを共有されることを節に願います。医療者や雇用者の不安のための検査が減りますように。