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M&Aの会社だけでなく個人的に温泉旅館の経営もしていますのである程度実態を知っていますが、正直あまり大騒ぎするようなことではないと思いますよ。
中国系によるホテルや旅館の買収ニーズはあるにはありますが、実際に成約しているのは一部で、大騒ぎするほどの数にはなっていないのです。
寧ろメディアの方から「どこか中国人による買収事例がありませんか」と私のところにも取材が来るほどです。

なかなか実際の売買が成立しないのは、旅館という特殊な業態が影響しています。
多くの旅館は家業の延長で成り立っており、純粋に外部の従業を雇用して回そうと思うと資本効率は非常に低くなるところが多いのです。
そもそも今日日風光明媚な自然以外何もない場所に住み込みで働く若者などそうはおらず、人の確保自体困難ということもあります(普通は割高な派遣に頼っています)
又厨房なども都会の飲食店のようにちょっとアルバイトを募集したらいいというレベルではなく、自前で派遣できるか、調理師会などに一定の伝手がないと、上り(待遇改善のため予約が多い時期などに調理人が組織的にサボタージュすること)などに対応できず、詰みます。

もう一つ、特に温泉旅館は寒冷地が多い為内部配管が非常に腐食しやすく、メンテナンスに膨大な費用がかかります。
加えて耐震や防火が十分でないところが多く、その費用はいずれ所有者が払わなけばなりません。
私の場合、ホテルの取得価格は5億円でしたが、その後耐震基準を満たす建物の建て替えに17億円を要しました。
こうしたコストは通常売買時にある程度減額されますが、中国にはその概念自体ないので、日本人なら絶対買わない旧耐震、未耐火基準、内部配管ボロボロの旅館を、いいように高値で買わされているケースもあるようです。

また権利関係も複雑で、特に温泉旅館の命である源泉権は地元の有力者などが代々引き継いでいるケースも多く、外部の人間は日本人であっても簡単には手が出ません。

アウトサイダーからこの業界に入ったものとしては、狭く遅れた旅館業界に新たにどんどん外資が入ることで変わってほしい、と願っているのですが、上記のような複雑な事情があり、残念ながら決して簡単ではありません。
中国人投資家の多くは、かつて世界を席巻したジャパンマネーと同様に、不良物件を高値掴みして終わることになるでしょうね。
批判的なコメントも多いようですが、個人的には、困っている観光業界に資金を出してくれる投資家の存在は、国内外問わず重要だと思います。しかも、この局面で、実査せず、バーチャル視察でリスクを取ってくれるというならなおさら貴重では…

もちろん、安全保障上の問題があれば取得制限をかけるべきでしょう。が、運営上の問題は、観光業に関わる規制や制度で解決していくものでは…と思います。
80年代、日本企業がロックフェラーセンターをはじめ、アメリカの不動産を次々と買収し、米国内で反日感情が高まった際、当時のレーガン大統領は「それだけアメリカが魅力的な投資先だということだろう。何が問題なんだ」と述べたそうです。
そういうことなんじゃないでしょうか。

個人的な感情としては、思うところがないわけではありません。
ただ、オリックスのかんぽの宿売却に対する言いがかりのような、愚かな真似を繰り返してはいけないとも思います。
一時期は、東京のマンションを買いあさっていたと言われた中国の富裕層。

経営危機に陥っている日本旅館を買収してくれるのであれば、観光地救済になると思います。

国籍関係なく、資金を投入してくれるのなら大歓迎!
京都の祇園がどこからどう見ても「中華街」の外見になって祇園じゃなくなっちゃった、というなら嘆かわしいかもしれません。

ただ、不動産オーナーが売りに出したときに日本人の買い手がつかず、買ってくれたのがたまたま中国人富裕層だったというなら、しかたのないことでしょう。元の売り手を責めるわけにも行かないでしょうし。

お茶屋さんの経営にも既に在日華人のコミュニティが入り込んでいますし、そうやって伝統や文化が継承されていくのもまた時の流れのような気がします。

1990年代後半にも日本のゴルフ場や銀行・ノンバンクの不良債権の担保物件に日本人の買い手がつかず、米国投資ファンドが大量に買い取ったときにも「ハゲタカ」呼ばわりして批判されたものです。

日本人がサーッと引いていったときに「これ幸い」と金の匂いを察知して投資した米国投資家や中国華僑は、つくづく商売の天才というか、嗅覚が鋭いというか。

ある意味、お互い似た者同士だから米中貿易戦争なんてドンパチやってしまうのでしょうね。
大切なのは買収完了した後に、その旅館の経営や方針がお客様から支持され続けるかどうか?だと思います。変な方向に行けば業績として示されますので。この時期かつ旅館という事業に投資するのはリスク高い中、救われる企業も多いとも思います。
日本旅館が割安と判断したので有れば、投資家として合理的な行動でしょう。
「安くなってる欲しいもの、高くなりそうなものを買う」。古今東西で何もおかしくない行動だと思いますよ