エコノミスト予測が過去最大の外れ－５月の米雇用統計、予想外の改善
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そもそも雇用統計は遅行指数。
リアルタイムの予測は難しいので、かなりぶれるものではあるということを踏まえた上で、ぶれた背景はおそらくPPPが原因で、外食産業で140万人の雇用というところの予測できなかったことにあるんでしょうかね。
それよりFRBもパンデミックだからと３月の経済予測を発表せず（次からは出すそうです）ホワイトハウスがも夏に本来なら出すはずの経済予測出さないって。。。
大統領選を配慮した方針なんでしょうけど、まぁそうなると、株式市場にとってしばらく遅行指数はすくなくともそんなにネガティブに影響することはなさそうですね。
https://www.bloomberg.com/news/articles/2020-06-05/economists-have-biggest-whiff-ever-as-u-s-jobs-report-surprisesリサーチャーのレポートの価値は、その結論の数値自体ではなく、そこに至る情報の取得、精査とロジックの積み上げにあります。
私が尊敬するリサーチャーは、世の中に公開されるマクロの統計情報だけでなく、足を使ってミクロ情報を集めます。モデルにインプットしたあとも、それの意味するところを読み解き、モデルの日々のブラッシュアップも忘れません。
日々刻々と状況が変わり、人の動きもある日を境に突然変わる状況の中、数千万人が失業保険を受給しているのの10%の数百万人は、デカイですけど、もう誤差の範囲かと。
むしろ、何を勘案してその数値を導いたかに目を向けるべきです。しかし、昔に比べて、金融業界におけるリサーチの地位は低下しており、というか人多すぎて、一つづつのレポートの質の低下はありますよね。平均値に意味は無いと思います。
しかし、プラスは率直に意外ですね。現地にいないので雰囲気わかりませんが、５月はすでに経済活動始まっていたということ？活動し始める準備が始まっていたということ？
解雇がとことんやるのが早かった分、ボトムアウトも早いということでしょうか？
予想は常にアップデートされているので、政府援助をまったく考慮に入れないということはないと思いますし。どうしてこれだけ予想外の改善があったのか、また実際の状況はどんなものなのか、色々な記事が出ている。
業種別の改善を見ると、接客業が戻っている。これは一番凹んだのが接客業というのもあるが、規模感として昨年3月1652万、今年3月1612万→4月859万→5月982万という改善の一方。それ以外にサービス業で約100万、製造業で約70万人の改善というのが出来上がり。
この改善を事前に示唆していた可能性がある数値としては①の失業保険継続申請数が5/29に2491万→2105万と減少していたこと。ただ雇用統計は12日が含まれる週基準で作られていて、このタイミングと合致しない（＝6月も回復が継続する可能性）。
一方で実質的には失業するような状況だがPPPによって雇用が延長されているケースもあると思う。PPPを使い切る期間も当初の8週間から24週間に5/28に延長（②）。資金をもう使い尽くしてしまった企業もあるかもしれないが、給付切れタイミングは9月になる。
ただ、③のAxiosの推定は、こういったコロナ対策申請者も含めると、実質的な失業者数は3720万人（今回の数値は約2100万人）というもの。
また普段から言われる点ではあるが、U6という広義の失職者数なども含めると失業率は27％とNYT Upshotは推定（④）。なおU6は開示されていて、5月雇用統計では21.2％（⑤）。
①https://newspicks.com/news/4944061
②https://newspicks.com/news/4944333
③https://newspicks.com/news/4967763
④https://newspicks.com/news/4967792
⑤https://fred.stlouisfed.org/series/U6RATE
