【MB】あの時、ユニクロは「おしゃれ」になった
コメント
注目のコメント
2009年にジル・サンダーとコラボしたことによって、ユニクロを「おしゃれ」にしたのは、そのとおりだと思います。
「田中さん、今日のスタイルおしゃれでいいですね」と言われて「あー、今日は、下着と靴以外ぜんぶユニクロなんですよ」と返して、「え?うそ!」とビックリされることが増えてきました。
でも、ZARAの広告宣伝費が利益を圧迫するのに対して、店舗数の多いユニクロで広告宣伝費がかからないという指摘は、決算書を見る限り、むしろまったく逆です。
ZARAのブランディングはスタバと似ていて、マス広告はほとんど打たずに顧客接点である店舗で発信することに特化しています。だから、商品アイテム入れ替えにともなう店舗デザイン変更には相当なエネルギーをかけています。
一方のユニクロは相対的にマス広告。ジョコビッチや錦織圭、フェデラーのスポンサーになるのを筆頭になんせ「国民服」なので、広く訴求するためのマス広告が中心。
そんな両社の対照的な戦略は業績にクッキリと出ていて、営業利益率を見るとユニクロのファーストリテイリング11.2%に対して、ZARA親会社のインディテックスは16.7%と驚異的です。
ユニクロも十分エクセレントですが、ZARAはハッキリ言って化け物レベルです。
また、中国やバングラデシュなどコストの安い国で製造しているFRの粗利率が48.9%であるのに対して、製造のほとんどをスペイン、ポルトガルで間に合わせているインディテックスの粗利率の方が56.7%と圧倒的に高いんですんね。
これは、ZARAのスカートの裏地をひっくり返すと「縫製がガサツやなぁ」と感じるところだったり、ユニクロの「おいおいこの値段でこのクオリティってボランティアかよ!?」と感じる部分です。
ユニクロの柳井さんは世界一のアパレルブランドを目指す野望をお持ちだと思います。でも、ZARA親会社のインディテックスの背中は遠いなぁ~とみんな感じていたはずです。
ところが、会社全体の売上高ではまだ差があるものの、ブランド別のグローバル売上高では、ZARA2.4兆円、ユニクロ2兆円。あっという間に追いつきそうな勢いです。
ターゲットが狭いZARAに対して、子供からシニアまでと広いユニクロが追いつくのは時間の問題だと見ています。都心1号店の原宿店出店、NYのSOHOへのグローバル旗艦店出店と並び、ジル・サンダーさんと組んだコラボライン「+J」を発売したことは、間違いなくユニクロの大きな転機でしたね。
ちなみに、今日は新しい原宿店がウィズ原宿にオープンします。明治通りに店を構えてから22年。UTストアに転換してそれがクローズしてから8年。ユニクロの進化が見える店になっています。
本文中ではZOZOのPBの失敗や、ブランディングの成功事例としてLVMHのルイ・ヴィトンを挙げています。わかりやすいところを事例にもってきてますね。
追加:「ZARAやH&Mの場合、店舗がない地域に住む限られたターゲットに向けて、マス広告でリーチしなければいけません。広告を打って認知してもらい、ECで販売するためです。ただし、その分、広告宣伝費がかさんで利益を押し下げてしまいます。一方のユニクロは、そもそも地方にも店舗があるため認知を取りやすく、広告宣伝コストを大きく必要としません。」の部分は、これは事実誤認かもしれませんね。
ZARAは基本的に世界中どこでも広告宣伝はしません。都心の一等地にある店舗そのものが宣伝になるというスタンスだからです。
一方、ユニクロは、マス広告も打ちつつ、各店舗周辺でのチラシ訴求を欠かさないので、広告宣伝コストはむしろZARAより巨額です。2019年9月13日
イタリア国内初出店がファッションの本丸とも言えるミラノであり、そのほんの一部をお手伝いをする機会をいただきました。
開店前の当日は1,000人待ちを想定しているとのことで、それにはさすがに驚き大丈夫なのかなと思いました。
開店前にたまたま某セレクトショップの役員の方にミラノで日本企業がファッションは無理というコメントをもらっていたこともありました。
浅草で外国人が和食をやるようなもので、お門違いだと。
蓋を開けると開店前には1,000人の行列。ファッションの都ミラノでもユニクロは圧倒的なデビューをしました。
この記事でも触れられていますが、その開店の記者会見でイタリア人記者が競合のZARAに対する見解を柳井さんに求めていました。柳井さんは「ユニクロは究極の普段着を目指す。ZARAは競合ではない」とはっきり言っておりました。
欧州の人々の「普段着」の立ち位置まで築いてしまったこの企業の存在は日本人として誇らしいと共に勇気をもらいます。