デジタル化された芸術作品と本物、脳の反応は違うのか
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この調査は、普段美術館に行く人を対象にしたのか、あるいは、行っていない人を対象にしたのか、が明記されていませんでした。
普段熱心に、週に数度以上美術館かギャラリーに通っている(通っていた)私としては、仮想空間での展示でも脳が受ける刺激は同じかリアル以上、というのは実感がまったくありません。
リアルな場で作品から受けるパワーやディテールの素晴らしさ、空間としての全体の美や妙、これを元々理解&あることに気付けていない人たちにとっては、仮想空間であれ、作品を観ればある程度刺激にはなるのではないかと思います。
自粛期間に何度か世界のAR/VR化された展覧会を覗きましたが、どれも頑張っているし、家で観られるのはありがたかったけれど、やはり物足りなさがあるのは否めず。ついにはオンラインで観るくらいなら…と観ることをやめてしまいました。
こういう時期に美術館や世の中を勇気、元気付ける調査レポートかもしれませんが、アート界隈の中にいる人たちが納得のいくところまで突っ込んで欲しかったと思います。
ちなみに、各所の仮想化された展覧会を観ましたが、クオリティが高かったのはこちら。日本の森美術館でした。リアルに勝るとは思わないけれど、これはこれでアーカイブとして素晴らしい取り組みだと思っています。
https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/mamdigital/03/index.html美しさ×脳科学は「神経美学」という領域で、美しさを感じる脳活動は、芸術作品でも音楽で「内側眼窩前頭皮質」が活性化するらしい。
脳波は、一般的には頭皮で電流を計測するが、大雑把な信号しか捉えられない。脳内の活動を深く細かく見るには、fMRIでの計測が必要。
=参考=
美の認知神経科学, 神経美学のこれまで
https://psych.or.jp/publication/world081/pw06/
ブレインテックABC〜脳を読み取り・脳に書き込む基礎技術
https://note.com/ray_30cm_ns/n/ne3f291898ed0オリジナルの記事を読んだほうがいろいろと発見があります。
脳波(EEG)の計測では、本物とデジタルでは同等どころか、デジタルのほうが活性度が上がるとのこと。ARが最大。
また、記憶への残りやすさも本物よりもARのほうが強い。
他に外乱がないからでしょうか。特に海外の美術館は写真撮影OKになっているところが多く、逆に写真を撮るのに一生懸命になってしまって肝心の美術品の記憶が残ってないということが往々にしてあります。
ただ、EEGではなくてfMRIなどで脳の活性部位などについても調べてみてもらいたいところ。その場合、そもそも実験室での鑑賞になるので体験そのものが異なってしまうかもしれませんが。
https://cuseum.com/neuroscience
(補足)
脳波とfMRIの違いについて。
脳波は脳活動で生じる電位の変化を、頭蓋骨を通して外にいわゆるキャパシタンスカップリングで漏れ出てくる信号を読み取ったもの。
それに対してfMRIは血流の局所的な増加をボールド効果という磁場の歪みを利用して計測するものです。
脳波
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%84%B3%E6%B3%A2
fMRI
https://ja.wikipedia.org/wiki/FMRI