米 IT活用医療“デジタルヘルス”への投資 コロナで2倍に
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クリニックレベルでは、日本でも導入を進めたところも多いかもしれません。
一方で、病院レベルでは、あまりシステムに変化のない医療機関が多いと思います。患者数や手術件数が減り、経営の厳しい事情も相まって、大型の変革が難しい状況です。
日本の多くの病院で行われている「遠隔医療」と言えば、固定電話で再診の対応を行い、ファックスで処方箋を送信するものです。
無駄が減った部分は良しとすべきでしょうが、理想と現実の間にはまだ大きなギャップがあるかもしれません。米国にて以前からオンラインのビデオ通話を用いた精神科遠隔診療を行っています。米国では遠隔診療が日本より一般的である一方、様々な厳しい規制に準拠して行う必要があるため、実際の運用には多くのハードルがあります。
まず、HIPAA(Health Insurance Portability and Accountability Act) 「医療保険の携行と責任に関する法律」が定める機密性の基準に則ったシステムを使用する必要があります。通信は全て暗号化されている必要があるため、患者さん側、医師側の通信環境、デバイスのスペックが高くないと診療に必須のスムーズな通話が成り立ちません。
また、米国では医師法が州ごとに独立して制定されており、遠隔診療を行うためには患者さんの居所の州の州医師免許を保持している必要があります。私は現在NY、NJ、TX、GAの州医師免許を保持していますが、各州の医師免許を維持するのもかなり費用がかかります。医師過失責任保険の加入も州ごとに別々に行わなくてはなりません。
こうした必要条件を満たして診療するためには当然それなりのコストがかかるため、コロナ禍収束後すぐに米国でデジタルヘルスが爆発的に普及することは考えにくいです。オンライン診療は、中々相談しにくい/恥ずかしい/初めてで不安、といった内容の場合は特に、受診ハードルを大きく下げるようです。
確かに、クリニックを予約して現地まで行ってドアをノックするのはかなりドキドキ、勇気が要りますよね。