日本が外国人の「一律入国拒否」を貫く大問題
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日本に永住している外国人や、外資系企業の日本法人で働いている外国人の方が、例えば親族の葬儀で一時帰国した後に日本に戻って来られないというのは大きな問題です。(事実関係は厳密に確認していないのですが、国内外の複数のメディアが同じ内容を報じているため、いったん、本記事に書かれていることは事実だという前提でコメントします。)
感染拡大の防止の観点からは、日本国籍かどうかでウイルスに感染しているリスクは変わらず、例えば日本人がフランスから日本に入国するのはOKだが、フランス人だと駄目だというのは理屈が通りません。合理的な理由がなければ、人権に関わります。
また、外交の観点からは、双務主義(reciprocity)の観点から、日本が今のやり方を続けると、今度はフランス側が同じ措置を取ることになってしまいます。例えば、フランスで働いていたり留学している日本人が、親に万が一のことがあって日本に帰国した場合に、フランスに戻れなくなります。自宅が、日本になくてフランスにある場合ですらです。しかも、先進国の中では、日本人だけがそのような扱いを受けると言うことになります。
さらに、ビジネスの観点からは、仮にそのようなことになると、フランスで活動する企業のうち、日本企業だけが不利になります。アメリカ企業の駐在員は、フランスとアメリカの間を(2週間の隔離をしながら)行き来できるが、日本企業の駐在員はそれができない、ということになるからです。工場の現場管理などをはじめ、ビデオ会議だけでは済ませられないことが多く、製造業が多い日本企業にとっては特に不利になります。
このように、感染拡大の防止や人権の観点、外交の観点、ビジネスの観点のいずれを取っても、「どの国から入国しようとしているか」や「永住権や労働許可、留学ビザなどを持っているか」に応じて入国制限を行うべきであり、そこに国籍の条件を加えている現状は早急に改めるべきだと思います。