中南米最大手のLATAM航空、米国で破産法申請
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LATAMも先日のアビアンカ航空と同様、資本関係はやや複雑です。
そもそもチリのフラッグキャリアであったLAN航空が、2010年に当時ブラジルで最大のシェアを持っていたTAM航空を買収し、新たにLATAMとしてリブランドし運航していました。
また、昨年10月にはデルタ航空が20%の出資をしてきたことにより、今まで加盟していた航空連合であるワンワールドを脱退することとなっていました。
今のLATAMの株主構成は前CEO一家で2割、デルタが2割、カタール航空が1割などとなっており、これ以外にチリの年金基金が16%ほど出資していますが、株式もニューヨーク市場に上場して20年以上経過しており、チリ政府としては地元資本が少なく、まずは法的整理すべきとの判断に動いたものと想像されます。株式がニューヨークに上場されていることもあり、アメリカで破産法を申請することになりました。
とりあえず運航は継続されるということですし、ブラジルやアルゼンチンなどの子会社についてはそもそも破産対象ではないということですから、いきなり航空会社が消えてなくなるということはなさそうです。
ただし南米ではブラジルがすでにコロナ対策を放棄している状態であるほか、他の国でも感染拡大が続いているとのことで、正常化まで長い道のりが想像されます。アビアンカに続いてラタム航空も再生手続きに入りました。
南米大陸では圧倒的な航空網を持つ会社なので、どこまで路線縮小となるのか未だ不透明ではありますが、影響は出てくると思います。
とはいえ現状では南米大陸ほぼ全域でコロナウイルスの感染が止まらず、ブラジル、ペルー、チリに関しては感染者数も世界でも上位に入ってきましたし、これまで多くの国が非常事態宣言で経済活動を停止させながらも感染が止まらず、これ以上の経済悪化は耐えられないとするところもあり、コロナウイルスのコントロールを止めて通常の経済活動再開する国も出てきています。
これから本格的に冬を迎えること、経済活動再開で更に感染が止まらないことは大いに予想できますし、既にICUや人工呼吸器が不足しているという報道もあるので、これから死亡者も激増するでしょう。
我が国としても医療用ガウン、医薬品、酸素ボンベなど物資が不足している国に対して人道的な観点からも援助をしていく必要があると思います。