【実録】死の淵から生還。重症化する「子供のコロナ」の恐怖
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欧米を中心に、コロナ感染に関連して発症する川崎病に類似した全身の血管炎症状が小児に起こる例が複数報告されています。記事には読者の不安をかきててるような様々な症状が書かれていますが、血管炎の症状としてはいずれも起こりうるもので想定される範囲内です。現時点では、メカニズムや起こる頻度などは不明ですが、血管炎の機序から考えると、「ウイルス感染をきっかけに免疫が活性化し自身の身体を攻撃している状態」、などが考えられています。
興味深いことに、ニューヨーク州の子供で川崎病類似の血管炎症状が報告された中で、白人が25%、黒人25%、ヒスパニックが19%、アジア系は3%といったように人種差がみられています。また、初期に流行があった中国では同様の報告はなく、日本でも川崎病学会が各医療機関に調査を行った結果「本邦および近隣諸国では現時点で川崎病とCOVID-19との関係を積極的に示唆できるような情報は得られていません」という声明を発表しています。
http://www.jskd.jp/pdf/20200506COVID-19_and_KD.pdf
これらの点から、コロナウイルスの地域ごとの種類の差や、人種差が影響している可能性がありますが、それを含めて未解明のことが多い状況です。日本でも今後の動向が注目されています。大変な思いをされましたね…そして、回復されて安堵しました。
「小児多臓器性炎症性症候群」という病名がついていますが、症状が川崎病に似ているため、日本では『川崎病に似た』と報道されることが多いですね。
新型コロナが川崎病発症のきっかけになったかもという報告は、すでに4月の最初のころに症例報告されています。
Hosp Pediatr 2020.[Epub ahead of print]
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32265235/
ただ、今回の川崎病”のような”、しかも重篤な症状は、川崎病の中でも重篤なタイプである『川崎病ショック症候群』に類似しているようです。
Riphagen S, et al. Hyperinflammatory shock in children during COVID-19 pandemic. Lancet. 2020
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(20)31094-1/fulltext
ただし、5月7日の段階で日本川崎病学会から声明がでており、現状では同様の症状のお子さんは、日本では確認されていないようです。
ですので、『いまのところ』は、過剰に反応する必要性はないと思われます。
5月1日と5月10日に、詳細をYahooで解説しました。ご参考まで…
▶新型コロナウイルスと、子どもに多い川崎病は関係しますか?
https://news.yahoo.co.jp/byline/horimukaikenta/20200501-00176368/
▶新型コロナと『川崎病類似の重症の病気』を、現状でどのように理解すればいいか?
https://news.yahoo.co.jp/byline/horimukaikenta/20200510-00177844/ウィルスに目やセンサーがついているわけではない。だから子供にも感染する。感染しても免疫力が強いので、重篤化しにくいと言うのが正しい理解でしょう。
緊急事態宣言が解除されましたが、ウィルスを侮ってはならない、とこのレポートは伝えています。