エグゼクティブ転職で「修羅場経験」の有無が問われるワケ
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若い頃の思い出。
リーマンショック直後に、当時勤めていた米系投資銀行が運営するファンドによるLBO/TOB案件(EV 1,500億円級)にて、主にデット資金調達を担当していました。メガバンク3行やDBJなどからクラブディールにて数百億円後半のデットを調達することが私の任務です。
私は当時20代のアソシエイト。ディール中に上席だったデット資金調達担当のVPが会社を退職したことに伴い、自動的に自分がデット資金調達の主担当に。
当時は世界経済が不透明でしたし、ファンドや銀行にとっても最大級の大事なディールだったので、現場は常にピリピリしていました。
このディールで経験した若かりし頃の修羅場体験の一つは、シニアな方々を含む銀行の買収ファイナンス担当者約30名に囲まれて(缶詰で)、自分と1年目のアナリストだけでプレゼンしたり延々と詰められつつ質疑応答したことです。絶対に調達を成功させないといけなかったのでプレッシャーは半端なかったです。
ちなみにそのディールは成就し、今朝のNP特集記事にあった森岡さんが務める会社に、GSが改めて深く関与することになりました。GSがLBOした後に森岡さんがCMOとして着任されます。
(私はエントリーしたところでまた別のプロジェクトを担当したので、バリューアップには関与していません)あえて修羅場に飛び込む必要はないが、確かに人を成長させる経験。
修羅場を乗り越えると、メンタルも強くなり、多少のことでは動揺せず、冷静に対処できるようになります。
次に修羅場に遭遇してしまったときは、もっと上手に乗り超えられます。
僕の修羅場体験の1つは、民事再生。ひどい発疹で、流れ出るリンパ液が止まらなくなるなど、身体的にも大きな打撃をうけましました。
とても多くのことを学び、自分を強くしてくれました。修羅場に限らず、経験を活かして成長することが大切です。ポジションを持っていると、修羅場を上役に任せて逃げを図ることもできます。
組織が修羅場に遭遇したときに、どのような主体性を発揮できるのかが、その人の真価に関わると考えてます。
コロナ禍も組織や個人にとっての修羅場です。とりあえずやり過ごすのか、変革へのきっかけとするのか、向き合い方で今後の5年、10年が大きく変わります。世界が大きく変わろうとしているので、この行動の差は今後の人生左右します。