緊急事態宣言解除後はメンタルにアラートあり?「コロナブルー」を乗り切るための4つの方法
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コロナの状況下で、リモートワークに適応できない、家庭内の人間関係でイライラする、仕事や収入がなくなった、風邪症状があって職場に行けない、など様々なストレス素因が新たに出現してきていると思います。
心のストレスがたまると、それが原因で体の症状があらわれることがあります。よくある症状としては頭痛、不眠、腹痛、食欲不振など。こういった症状で内科を受診される方も増えている印象です。
本来であればストレス素因を避けて生活するのがベストですが、実際のところ難しい場合が多いですね。ありきたりかもしれませんが、食事や睡眠のリズムを整える、適度な運動をするといった基本的なことが重要だと思います。たしかにこの非常事態は、もともとメンタルが脆弱な方の心の状態が悪化するきっかけとなりうります。
いろいろな対処法がありますが、
記事にあるような、バナナを食べればなど、特定の食品でどうにか、というのは、成分的に理論上間違ってないとしても、あまりそれに偏らないように。。
ただ、メンタル疾患には『これを食べるようになって調子がよくなった』というプラセボ効果も大いに期待してよいとは思います。精神科医の視点からは、ストレスを我慢する傾向が強く、不平不満を言わず、人に頼らないタイプの人、俗に「メンタルが強い」と呼ばれる人の方が、実はメンタルヘルスの不調をきたすリスクが高いです。
そうした方は、メンタルヘルスの専門家に相談することに抵抗を感じることも多く、自分で不調をなんとかしようと、こうした記事に解決法を求めがちであると思われます。
もちろん栄養バランスの良い食生活は大事ですが、メンタルヘルス不調は、特定の食べ物を食べれば解決するような単純な問題ではありません。
また、近年認知行動療法がもてはやされていますが、これも決して万能ではありません。メンタルヘルスの専門家は患者さんの特性や症状に応じて様々な精神療法を使い分けます。
認知行動療法の基本的な考え方は、認知の歪み(俗に言うネガティブ思考)が症状を引き起こしており、認知を変えることで症状の改善を図る、というものです。
ところが、患者さんの多くは認知の歪みのために症状が出ているのではなく、症状のために認知が変容しており、認知を自分の意思で変えることができないことそれ自体が症状である場合もあります。こうした方の場合、認知行動療法で指示された通りに認知を変えられないことで無力感や自責感を感じることも多く、使い方によっては逆効果になります。
こころの不調を感じた場合は、自分だけで解決しようとせず、すぐにメンタルヘルス専門家に受診していただきたいと思います。