【解説】トヨタ社長の「記者会見」から読み取るべきこと
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豊田章男氏の思考を貫くのは、本来の意味での「なぜ」の探求ではないかと今回の内容からも思った。
Woven city構想は、都市のOSを作ることを目指しているものであり、極めて画期的なチャレンジである。しかし、覚悟があったから出来た、とか、危機感があったから、というのだと、それは豊田章男氏だから出来た、ということになるだろう。
しかし、私のような研究者の立場からすると、これをもう少し掘り下げて考えてみたくなる。つまり、豊田章男氏だから出来たという時の、その中身である。
恐らくWoven city構想も別に豊田章男氏の構想というわけではないだろう。実際には、誰かが考え、そのアイデアを検討していく作業が行われていたであろう。
当然、そのことに危惧を示す意見もあったであろうし、それを推進する意見もあったと思う。いずれにせよ、その中で、自動車の将来について、実際のところどのような方向に展開していくことによって発展の可能性があるのかということが「わかっていないことがわかる」過程があったのではないかと想像する。それは、まさにトヨタにおける「なぜを繰り返す」というところから出てきているものではないだろうか。
一般的に、なぜを繰り返すという発想は、単にロジックツリーをたどる作業のように思われがちだが、そうではなくて、わかっていないことが何かを発見する作業である。前者のロジカルシンキング的なものであれば、基本的にはアイデアは潰されやすいが、後者の場合、わかっていないことが何かがわかるので、自動車の未来がどうなるかわからないのだから実験しなければならない、という発想にもつながるのではないだろうか。
そう考えると、「豊田章男氏だから」ということの中身とは、「何がわかっていないのかをわかろうとすること」を愚直に積み重ねていくことではないかと思う。過去の延長線上に未来はない。
だから経営者の仕事は責任を持ってリープし、ともすれば今の事業を捨て去るような大きな決断をすることだ。
任期を何事もなく終えようとするサラリーマン社長は、経営者としては失格だ。保守派は未来を殺す。人に話を聞くときは「最初の5分」が勝負だと思っています。
その5分で「あなたのことをこんなに知りたいと思っている」という熱意のようなものを伝えるのがポイントですね。
いずれにしても、相手のことを徹底的に調べていくのは大前提です。「え? そんなことまで知っているの?」みたいなことがきっかけになって、スイッチが入ることは多いですね。