中国軍拡不変、国防費6.6%増 一般予算は削減、香港デモを非難
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中国は、軍備増強の計画を変えることはありません。それが、中国共産党が統治を継続する唯一の方法だと考えられているからです。中国は、米国が必ず中国の発展を妨害すると考えています。その手段には、軍事力の行使が含まれます。中国は、発展を継続するために、米国の妨害を跳ね除けるまで軍備増強を続けなければならないのです。
6.6%は、予算が削減される中で突出して高いと見えますが、人民解放軍はより高い伸び率を望んでいます。一方で、GDP伸び率の公表は見送られましたが、外部の分析では2~3%と見積もられています。国防費の伸び率は、その中間の値のように見えます。6.6%は、人民解放軍に対しては軍備増強を継続するというメッセージを、国民に対しては軍備増強を減速して経済復興に力を入れるというメッセージを、それぞれ送ったものと考えられます。
ただ、中国の国防費は、公表されているものだけではありません。兵器の開発費等は国防費に含まれていないとされています。公表されている国防費は、中国政府の意図を示すための数字と捉えるべきだと思います。
一般予算が削減されたことは、リーマンショック後とは異なり、中国はもう大きな経済刺激策をとらないということでしょうか。2020年のGDPを2010年のGDPの10倍にするという目標を達成するためには、少なくとも5.6%のGDPが必要とされますが、大規模な経済刺激策でも採らない限り、そのように高い伸び率を示すことはできないでしょう。一方で、目標が達成できなかったというのは鄧小平氏の指示を守れなかったということにもなります。
GDP成長率の目標公表を見送ったということは、そのどちらも共産党にとって不都合だということです。国防費についても、大幅な伸び率を示してきていますが、空母の建造に関しても、経済的・技術的問題を理由に、計画延期の噂が飛び交います。
中国は今、コロナ危機の影響もあって、やらなければならないことと経済的実力の乖離に苦しんでいるのだとも言えます。党中央は軍部と国民、つまり国内に気を取られるあまり、国際環境の悪化にやや感度が悪くなっているような印象。天安門事件後の孤立の再現となるのかもしれない。
国防費、米国79兆円、中国19兆円、日本5.3兆円。香港への強行姿勢、台湾、尖閣、東南アジア、インドへの強行姿勢を強めてるのは本当に疑問。中国が国際的に信頼を得たければ、態度を変えていく必要がある。