コロナ対策で巨大化する世界の債務、将来に危険なツケ
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一般論として債務問題に警鐘を鳴らすことには意味がありますが、論点の選択には注意する必要もあります。
政府債務に焦点を絞って見ても、例えば、自国通貨建ての債務なのかどうか、中央銀行の買い入れによって市場実勢と乖離した条件になっているかどうか、債務残高は国内の民間貯蓄によって維持可能か、政府の徴税能力に問題はないか、議会や市場のチェック能力は存在するか、といった視点も加味した上で規模を評価する必要があります。
少なくとも先進諸国を念頭に置いた場合、政府債務が「破綻」するリスクよりも、その前に起こりうる事象として、官需と民需とのバランスが歪むことに伴う経済資源の非効率な配分と、それに伴う経済成長率の停滞の方が優先度の高い問題だと思います。「同国の債務比率はGDPの約135%で、これが170%前後まで上昇する可能性も高く、そうした水準は持ちこたえられるものではないという」とありますが、結局、この手の比率はアテになりません。日本はこれが100%の時代から「金利が暴騰する」と言われ、今は比率が2倍になりましたが長期金利はマイナスになりました。水準は大事ではないということです。
冒頭で「新型コロナウイルスの苦しみを和らげるため大規模な景気刺激策という薬が相次ぎ投与されている。しかし、そうした投与に伴って債務の遺産を果てなく抱え込むことは、経済成長の阻害や貧困の悪化を通じて、将来の危機の種をまくことになりかねない。発展途上国ではなおさらだ。」って言ってますけど、むしろこの局面で景気刺激策何もやらない方が経済成長の阻害や貧困の悪化をもたらすことになると思いますが。