【コロナ禍中の上場企業の開示を読む3】財務安定性とコロナ後の成長に向けた説明
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今週のシニフィアンスタイルの記事もいいですね。
「財務の安定性(survivability)」と「Afterコロナの展望」について、投資家とのコミュニケーションの要諦が上手くまとめられています。IR担当者の方には、是非読んでもらいたい記事です。
好事例が多数取り上げられていますが、特にオムロンの事例には会社のDNAを感じさせられます。オムロンは、実はガバナンスの見本のような会社です。日本では、トップクラスと言ってもいいかもしれません。立石元会長から作田前会長へ、さらに山田社長へと、優秀なマネジメントが続いています。創業家にこだわらないバトンタッチ、若返りのバトンタッチ、いつも見事です。その精神が透けて見えるようなプレゼン資料になっています。
追伸: ウェブナーも拝見しました。数百社のプレゼン全部に目を通され、上手くまとめ上げられた小林さんに脱帽です。IR担当者の方には、必見のウェブナーです!
注目のコメント
コロナショックを受け、中にはアフターコロナの展望について決算説明で触れている会社もあるようです。
例えばオムロンの場合、コロナショック後のビジネス機会として「遠隔医療サービス」「5G普及」「医療向けトレーサビリティ」「新たな省人化ニーズ」といった具体的テーマを挙げ、自社ビジネスがこうした新たな機会にどのように対応し得るかについて説明しています。ここには良い開示の例をまとめていただいていますが、「先行き不透明なので業績予想は非開示」と言い切ってしまっても、それだけで評価が下がることはなく、実際にそれで済ませている企業が多く見受けられます。
このような不透明な状況にどう対処していくのかを開示することはとても勇気が必要です(思い切り予想を外す可能性もある)し、だからこそ、丁寧に説明しようという企業側の心意気は評価すべきであり、それによって「経営の質」も見えてくるものと考えています。