マスク生産の中国依存はどうなる ポストコロナ世界のグローバリゼーション
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特定の国に依存し過ぎる傾向に知識人たちが警鐘を鳴らしたのはかなり昔からで、人類はその貴重な意見に耳を傾けず、利益を追求したバチが当たったとも言える。
グローバルでもローカルでも、国家的規模でも中小企業の民間取引や事業においてですら、特定の国、事業者、ユーザー、ターゲット、生産方法、調達先などなど偏り過ぎない、依存し過ぎないというのはセオリーであり、常識に近いものだったと思う。全てを分散させてどこかに集中させないを徹底するのがリスク回避や管理では大切で、これらを仮に鎖国したからと言って解決されるかと言えばされないことは東日本大震災や豪雨などの震災や災害で体験済みであろう。
国内で幾つか、海外で幾つかなど、コストはかかるが危険から逃れたいならそのような体制を作らざるを得ない。
目先の利益を追求し過ぎれば当然こうなります。もっともらしい表現をたくさん散りばせながら、結局のところ、やや筋の悪い主張です。
まず、事実に対する認識が正しくない。マスクを日本国内で作れと言っても、次回起こる感染症がどのようなカタチで感染するか、誰も予期できません。様々な感染症の歴史に一度目を通してみればいいですが、すべての感染症がマスクで予防できるわけではない。
二つ目、これだけ中国依存と言いながら、マスクの国内供給はすでに回復しつつあります。しかも100%純国産ではありません。日本はまだ花粉症のことがあったのでマシですが、戦略備蓄さえできていれば、何とかなったレベルです。僕自身、人が多いところだけマスクを(エチケットとして)使い、あとは除菌アルコールをかけて今日まで保たせました。売り手の中国も、いつまでもマスクばかりを抱えているわけにはいきませんので、放出が始まっています。
三つ目、新型コロナをとてつもなく恐ろしいものとして表現していますが、今回のレベルであれば(色々な方の努力で)対処方法が見えてきました。対処が混乱した国ほど死者が増えています(日本は冷静さを保ちました)。日常の新たなルールが決められたり、グローバル化にともなう感染症専門病院の設置もありえるでしょう。僕は逆に、科学的なグローバル連携がこれだけ進んだがゆえに、恐ろしい感染症がまもなく抑制されつつあると、感嘆しています。
鎖国に戻ると、アホなことを言う輩がいますが、本稿でも示されているようにグローバル化は止まらないし、止めてはいけない。経済科学の相互依存は、戦争をなくす唯一の手段でもあるからです。ポストコロナの世界で何が起きるか、鈴木一人先生の論考です。
これからのグローバル社会の絵姿はまだ見通せませんが、少なくとも、人もモノも自由に国境を越えて行き来し、労働力は賃金が高い国に移動し、生産は人件費が安い国に移り…というこれまで当たり前ととらえられていた姿は何らかの修正を迫られるということは言えそうです。メイド・イン・チャイナへの依存も、日本の移民政策(政府は移民とは呼びませんが、実質的に移民政策です)も、再考が必要になるでしょう。