TSMCの米国工場進出の裏側
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注目のコメント
大筋はその通りです。
いくつか正確に言えば、
①最先端の半導体が軍事用途に使われるのは当然ですが、本件が特に軍事用途につながっているわけではありません。国防総省の本件への関わり方を見れば分かります。
②ワセナー・アレンジメントで民生用途は許可されるので、今の中国は軍民融合で意味がありません。そこで米国は4月末に規制強化しました。
③他方でサムスンは今以上に中国依存を高める可能性が高く、米国がどう出るか注目です。ワッセナー条約(旧ココム規制)など軍事的な観点、ファンドリーのなかでTSMC1強の状況などが分かりやすい。ファブレス・ファンドリーモデルのなかでのワッセナー条約の文脈はあまり考えたことがなかった。
一方で実際に米国に立ち上げたとしたときに、プロセスエンジニアとかはどうするのだろうと思う。日本企業の多くがコアの生産プロセスをエンジニア含めて国内に置いておきたいように、先端プロセスはノウハウの宝庫。TSMC1強の状態は、上手くいっているから設備投資を進める資金パワーの側面もあるが、他社もお金突っ込めばできるなら進める。そうはなっていないから難しいわけで、TSMCの人材面の戦略が気になる。外資系とは言え、Apple製品のチップを作る大手の半導体メーカーが国内に工場を持ってくれるのは、アメリカにとっては嬉しいニュース。更に120億ドルの建設投資と新たな雇用が我がアリゾナに!(テスラにはフラれちゃったけど)
一年を通して雨が少なく湿気が数%のアリゾナ州は、半導体や電子部品の製造にぴったり。カリフォルニアにも近く、土地もまだまだ安いので、これからアリゾナ州が電子部品関係で盛り上がっていくことに期待しています。
ただ、チップが国内に来ちゃうと、Apple製品の価格はもっと上がるだろうな〜。