ダウ60ドル高、米中対立やさえない指標で上値重く
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米国株式市場は下落要因と上昇要因と交錯し小幅上昇。
相場の下落要因は
(1) 米中対立の深刻化
米国のファーウェイに対する輸出禁止措置強化に対して中国側はアップルへの制裁やボーイングの航空機の輸入停止すると報じられました。
(2) 米国経済指標の大幅悪化
4月の小売売上高はマイナス16.4%で過去最大を記録し、4月の鉱工業生産設備稼働率も64.9%と1967年以来過去最低。製造業のみでは61.1%で1948年以来過去最低の水準まで悪化しました。
相場の上昇要因は
(1) 5月のミシガン大学消費者景況感指数は悪化予想に反して4月の71.8から73.7へ改善しました。
(2) トランプ大統領は新型コロナウイルスのワクチン候補に米政府が投資し、年末までにワクチン利用が可能になると表明しました。
今週、ダウ平均株価指数は1500ポイント余り下落した後に特段の買いネタがないにも拘らず、リバウンドしたのは木曜日の相場に類似してます。
市場は現実確認の第2段階に突入した模様だと言えます。第1段階では、悪化しつつあるマクロ経済の現実と政府による景気刺激策との綱引きの結果、景気刺激策に軍配が上がり4月には株価が上昇しました。そして第2段階に突入した今は、経済活動再開による経済の実情とコロナウイルス感染に呼応した政治運営のせめぎ合いの始まりです。
経済活動の実態やコロナウイルス感染状況の変化は未だ不透明感極まりないです。一方で株式市場は方向感を失いつつある中、恐怖指数はやや小休止感が出て30台前半で落ち着いている模様です。ダウ+0.25%、S&P+0.39%、NASDAQ+0.79%。
小売統計の悪さ(①)、Huaweiへの制裁の割にむしろ粘ったという印象。SOX半導体指数は-2.19%。小売統計とかは「分かっていたこと」ではあるが、一方で現実論として経済は悪化していて、そのなかで米中対立が再度深まっていることなど含めて、どうするのという状態が時間とともに突き付けられている。今週1週間は何かNewがあったわけではないが悪いという現実を突きつけられて調整した印象があるし、それは時間とともに追加的に良いニュースがない限りは、②でPickしたようにむしろ良い話ばかり織り込んでしまった状況に個人的には見える。
最近気になっているのはPaycheck Protection Program(PPP)。③でPickしたが、追加枠に対してまだ余裕は残っているものの、一方で行き渡っているような状況ではない。また中小企業経営者への調査では経済回復は2021年と見ていて、そしたら今は一時的な解雇であったりPPPで給与とか支払っていても、来年までその状態を継続するわけにはいかない。
①https://newspicks.com/news/4908196
②https://newspicks.com/news/4902715
③https://newspicks.com/news/4908989