ハイテク大手、デジタル経済の利用推進すべき=IMF専務理事
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「新型コロナ危機での勝者はデジタル経済と電子商取引(eコマース)などを手掛ける企業だ」というのは間違いなく、「不平等性を悪化させるリスク」も高いでしょう。
デジタル経済の一つの特徴は、プラットフォームを作って市場を独占するフックとカネを稼ぐ課金の手段が分離していることで、前者は限界コストがほぼゼロです。フェースブックにしてもアマゾンにしてもグーグルにしても、プラットフォームを使う人が増えれば増えるほど利用者と情報が集まって、利用者が集積するほど便利になって、利用料がほぼタダだから、利用者が更に増えて行く。利用料が極めて安いフックで集めた人が、プラットフォームに市場を専有する力を与えます。
その一方、そこでモノやサービスを取引したり広告を出したりする事業者は、そのプラットフォームを使わなければ商売が成り立たなくなって来る。そこに課金することで、プラットフォーマーは大きな稼ぎを上げるわけ。その結果、実店舗などが次々と淘汰され、“いい職場”を失う多くの人々とデジタル企業で高い賃金を得る人達との間の格差が広がることになるわけです。新型コロナウイルスがこの動きを加速させたことは誰の目にも明らかであるように思います。
「恩恵を受けたハイテク大手は、デジタル経済へのアクセス拡大に取り組むべき」であるのは同感ですが、それが自ずと不平等を解消し経済を活性化するかは疑問に感じないでもありません。安くなった原油を経済の活性化に活用するか浮いた資金を自然エネルギーへの投資に回すかもそれぞれの国と企業の思惑に依りそうです。だからこそ理想的な方向に行くよう呼びかけたのでしょうが、新型コロナ後の世界が向かう方向を巡って欧州型の“理想主義”と米中型の“現実主義”がせめぎ合う状況が生まれそう。新型コロナ後の世界は何処に向かうのか。さすがに、金を出すのに合わせて口を出すやり方で世界各国に影響を与えようとするIMFらしい情報発信ですね。労働者の格差拡大は各労働者の技術進歩への対応力の差によると考えられていますから、正しい提言だと思います。