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(以前書いてもらった記事)https://newspicks.com/news/4505565/
植物工場の今後の展望を考える上で外せないのが、農業に必要なインプットコストの今後の展望です。「植物工場はコストが高い」というところにばかりフォーカスされがちですが、既存農業のコストが今後うなぎ上りに上がっていくという点が重要なポイントです。
既存農業
1. 土地代→上がる
2. 人件費→上がる
3. 各種資源(水・天候)→水は不足、天候も不安定
4. 設備投資→もちろん植物工場よりは安いが今後大した改善は見込めない
植物工場
1. 土地→積み上げ式なので圧倒的に少ないない面積で栽培可
2. 人件費→工場のような環境のため自動化が容易で、人件費は圧倒的に減る
3. 各種リソース→水はリサイクルにより9割以上削減が可能。天候にも左右されない。電気代のみ高い。但し今後数十年スパンで見れば電気はほぼタダになる。
4. 設備投資→現状は既存農業に比べて高いが、プレイヤーが増える毎に低減していく。今後どこまで下がるかが、業界全体の収益性を決定づける。
植物工場が普及する事に議論の余地はなく、あとは時間の問題だけです。植物工場で作ることが出来るものは今後ほぼ全て植物工場に置き換わっていくと言っても過言ではないでしょう。少なくとも我々の作っているいちごは普通の既存品よりも遥かに品質が高く、完全無農薬です(いちごって残留農薬が一番多い農作物だって皆さん知ってましたか?)。既存品のコストは年々上がっており、逆に我々のコストは物凄いスピードで下がっていますので、コストが既存品と同程度まで落ちれば既存品を買う理由がなくなります。このタイムギャップを埋めるために我々は既存品よりプレミアムを払ってもらえるような都市(NYのように新鮮ないちごが手に入らない場所)からまずはスタートし確実に収益性を確保しておりますが、コストの低減と共に競争環境が厳しい市場にも順次拡大予定です。
でも、現時点であんまりそうなっていくイメージがあんまり湧かないのは、「オーガニック」とか「水耕栽培」とかに価値の重点が置かれているので、味や生産コストでの勝負になっていないからだと思ってます。
つまり、上手な農家の人が作ったほうがうまいし、海外のものを買ったほうが安い。マーケットの問題と食料生産の問題は分けて考えた方が良いと思います。
また、国によって事情が180度違う問題でもあるので、立ち位置を明確にすることも大事です。
特に大きいのは品種改良で、穀物も野菜も家畜も全て数千年をかけて食料としての可食率や栄養価を上げ生産性を高めてきています。
そういう意味では最先端テクノロジーを農業に投入するのは当然のことと思います。
ただ、歴史的には食の豊かさの追求はここ100年ぐらいで、基本的には長いこと食の安全保障の観点からカロリーと栄養価の生産性への投資だったと思います。
垂直農業に私はあまり未来を感じていませんが、現段階である程度の収益を見込めるのが高単価のサラダ野菜のみ。
栄養価やカロリーではなく、彩りやイメージを価値にできるものだけです。
そういう意味では今の外食危機においては需要も激減し行き場を失っているのではないかと思います。
社会が豊かで経済が回っているときに価値を発揮する農業ですから
そもそも論点のなかに食糧危機に備えるみたいな話が入っているのはミスリードだと思います。
あと、コストに関しては
これは日本のような温暖湿潤気候において、建屋をわざわざ建築して発電エネルギーを使ってというのはまったく理解できません。
少し郊外に行けば何倍もの土地を低価格で借り、人件費も安く、設備投資も抑えられます。水も豊か、太陽エネルギーはタダです。
都会でも新鮮な野菜を食べたい。環境負荷のないオーガニックな野菜が食べたい。そして、LEDや人工知能などのテクノロジーによって効率的に野菜をつくりたい。そうした背景から、多くの資金が流れ込んでいます。アマゾン創業者のジェフ・ベゾスが投資するPlenty社は、私がすむサンフランシスコ近くに本社を構えています。
世界の胃袋の数は増えるばかり。しかし耕作面積は増えてないというデータもあり、こうしたメガトレンドによって、野菜づくりは有望なテック産業となることがよくわかるレポートです。非常に面白いので、一読推奨します!
ちなみに論理的には、野菜のコストを劇的に下げる可能性があり、そこまでいくには相当な資本投下が必要になります。スケールこそ、もっとも注目すべきポイントのように思います。
確かに美味しいけれど、でも正直、他の畑のオーガニック野菜と比べて、ものすごい差があるかはわかりませんでした。圧倒的にこっちがいいよね、という味か野菜の種類がないとなかなか流通のメインストリームになりずらい感じはします。
ただ新規参入組が増え、投資家を呼び込んでいるのはスライドにもあるように事実。LEDなどエネルギー、IoTの技術が進んでいるので、エネルギーと人件費の削減を期待したいです。
食料自給率が10%と知ったときは、意外と「高い」と思いました。いくつからの老舗の野菜農場があり、垂直農業(まだハイテクさはあまりない)を実践しており、徐々にこの記事にあるようなテクノロジーの導入を高めていくと思われます。
日系では、パナソニックが野菜工場をやっています。
http://www.jas.org.sg/magazine/yomimono/column/Panasonic_veg/veg.html
なお、鶏卵は30%自給しています。
(シンガポールの話題は、かなりの確率で、特殊な国で参考にならないと言われますが、都市農業での試みはまさに都市国家なだけあってこれから注目してもよいと思われます)
テスラも高級電気自動車から始めた様に、まずはプレミアムを払ってくれるセグメント向けのプロダクトから始めて、その後、生産能力の拡大・操業効率の改善を図り、より大きなマスの市場を取りに行くというのは一種の定石ですね。
この分野では以前にNewspicksでも特集されていたUC Berkeley出身の日本人起業家によるoishii farmも注目されています。ニューヨークの高級レストランに美味しい新鮮なイチゴを売るという形で始まったビジネスです。
https://newspicks.com/news/4505565?ref=search&ref_q=%E3%82%A4%E3%83%81%E3%82%B4&ref_t=top
生産方法にフォーカスが当たっているけど、本当は「データが全部取れるので、最終的に各種ファクターをいじって理想の野菜が作れること」がゴールなのではないでしょうか?コストが安いのも味が美味しい(というかもっと細かく酸味や甘味、とある栄養素などのレベルで指定可能)のも作れる。
そう考えると、植物工場が凄いのではなく、それもあくまでHowの一つでしかなくて、農業を最新のテクノロジーでアップデートしてデータ化するというところで市場を捉えるべきな気がしますね。日本酒における獺祭みたいなのが答えかもしれないし。
スピードとコスト重視なら、昼は太陽光で夜はLEDとかが良さそうだし、スピードだってバリューチェーンを考えたら都市圏から数時間の場所なら土地は十分に安くて送り先に届ける時間もあまり変わらないでしょうし、ちょっと工場の近未来感で騒がれすぎ。
こういうのは答えはもっと間にあり、外見に惑わされずに本当にあるべき姿を突き詰めたプレイヤーが勝つ気がする。
都市部である必要はなく、郊外でも地方でもいい。国内に生産拠点があれば、ドローンや自動運転ロボットを使って、日本の隅々にまで届けられます。
COVID-19で供給過剰になり、農作物を廃棄しているシーンを見ますが、そいういう場合に、生産調整できるのも、インドア垂直農業のメリットかもしれません。
興味深い内容。