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日本の極端に低い難民認定率は「難民の地位に関する条約」に記載されている本来の難民の定義に沿った厳格な審査を実施しているからだというのが法務省の説明。けれどもこの異常値の根底には、難民に対する悪しきイメージがあるからではないか、母国を追われた難民は縁遠い存在で、憐みの対象・援助の対象とはみなせても、自分たちの隣人となり、同じ社会の一員となることが想像できないのではないか...
上記は、友人で、難民研究の専門家であり、オックスフォードで教鞭をとっている小俣直彦先生の著書「アフリカの難民キャンプで暮らす」からの抜粋です。彼もまた難民と401日を共にしました。
以前に西海岸の知人の家のホームパーティーにお邪魔したとき、そこで出会ったべトナム系アメリカ人の弁護士の女性から「私ももとは難民で、家族で一時期日本にいたけれど、歓迎されず、結局アメリカに根をおろしたの。苦労もしたけど、兄弟は今はみんな医者や弁護士で、それぞれ頑張っているわ。日本に受け入れてもらえなくて、結果としては良かったのかもしれない」と言われ、何とも言えぬ恥ずかしさ、居心地の悪さを感じました。人が人を助けるというのは、決して簡単なことではありません。ですが、居心地が悪くとも、問題から目を逸らしてはいけないのだと思います。
難民ときちんと向き合って、共に働き、共に語る、渡部カンコロンゴ清花さんには本当に頭が下がります。
「難民」と聞いて私たちは「かわいそう」「気の毒」「貧しい」といったイメージを抱きがちですが、当たり前のことながら、一人一人は「難民」と呼ばれる以外の個性や能力を持った存在です。そのことに気づくには、ともに働いたり、ともに語り合ったりといった社会の中での関係が必要。その活動に取り組んできた渡部カンコロンゴ清花さんのストーリーです。