中南米大手アビアンカ航空が破綻 新型コロナで旅客減
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既に噂にはなっていましたが、中南米2位のコロンビアの大手航空会社アビアンカが新型コロナの影響で破綻しました。
私も以前アビアンカを利用したことがあるので、以下のレターが送られてきました。
お客様各位
重要な顧客の皆様に、アビアンカが今後もお客様にサービスを提供し続けるために必要な資金を確保するために、アビアンカが取っている行動について直接ご説明させていただきます。
今日、アビアンカは、米国破産法第11章に基づく自主再生手続きを申請しました。
これはCOVID-19のパンデミックの影響の中運行を続け、債務とその他のコミットメントに包括的に取り組むと同時にビジネスを保護するための判断です。
(中略)
以下は重要なインフォメーションです。
・アビアンカは再生プロセスを継続しつつ、COVID- 19の旅行制限が解除され次第運行を再開いたします。
・お客様は、これまでと同じように、アビアンカでの旅行や飛行機の手配を続けることができます。また再生プロセスではすべての顧客プログラムを尊重する予定です。
・お客様は、再生プロセスを開始する前に購入したチケット、バウチャー、旅行クーポン、ギフトカード、およびその他の旅行サービスを使用できます。
・VIPラウンジへのアクセス、優先チェックイン、アップグレード、その他の特典など、追加のマイレージプログラムの特典が引き続き有効です。
・元のフライトと変更されたフライトが10月20日までのものに限り、ペナルティおよび運賃の差額なく予約を変更できます。
(中略)
私たちは100年の歴史を誇りに思っており、引き続きサービスを提供できることを楽しみにしています。いつもご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
とりあえず顧客については保護されているようなので一安心ですが、これからも同じようなエアラインはたくさん出てきそうですね。アビアンカ航空はKLMに次いで世界に2番目に古い航空会社で、歴史ある企業です。
しかしながらその資本関係は複雑で、設立当初から主に米国資本を中心に構成されていたほか、2004年にチャプター11を使って法的整理を行った際にはブラジル資本の傘下に入り、2019年には大半の株式が米国資本に譲渡されるといった動きをしています。
コロンビアの会社なのに何でアメリカの破産法を使って裁判所に申し立てるの、と思うようなものですが、理由は米国資本が大半だからというところにあります。
コロンビア政府としては支援するからにはコロンビアの国益になる経営をしてもらいたいところですが、コロンビア資本がそこまで多く入っていないことから、まずは法的整理、という処理となったものと考えられます。
また2010年にはエルサルバドルの航空会社であるTACA航空をグループ内に合併しており、この大株主も米国資本です。したがって、単純にコロンビアの言うことだけを聞いている経営では許されないという事情も、コロンビア政府からの支援が遠ざかる要因となりました。
複数の国家にまたがった企業でかつ資本がさらに第三国にある、などとなると平時はそれでよいかもしれませんが、各国政府からの援助等が必要になることを考えると、地元資本をしっかり入れて経営することの大切さを痛感します。
日本の場合は、航空法により議決権ベースで33%を超えて外資が日本の航空会社を保有できないようになっており、この点においては良かったなと感じています。コロンビアのアビアンカ、ボゴタに行った時、一度だけ乗ったけど、スターアライアンスにも入っていて、良い感じの航空会社だっただけに残念。フラッグキャリアでもこれから軒並み厳しくなっていくだろうな…。