ANAグループ、21年度採用を一時中断 新型コロナ影響で
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記事を書いた本人です。会社側は採用そのものを凍結する考えはなく、中断のレベルであると言っていました。ただしこの状況下ですので再開時期は未定です。
ANAもJALも雇用を守ることを打ち出しているので、5月末に4万5000人の大半が休業対象になるANAグループの場合、人をこれ以上増やさないことが不可欠です。
ANAはこれまで国際線の新路線拡大を急ピッチで進めてきましたが、先日の決算発表で「マイルドになる」とのことだったので規模優先の経営を軌道修正するようです。
かつては何でも自前主義のJALが破綻を経て提携主義になりました。ANAは今後も自前にこだわるところが多そうですが、半ば子飼い状態にあるエア・ドゥなど資本関係が強い中堅航空会社3社の存在意義を含め、見直しは避けられない状況です。
一方でグループからLCCを手放すと海外との競争がかなり不利になるので、LCCを整理するのは将来の成長機会を自ら奪うことになります。そうしたバランスが今後の採用にも現れてくると感じます。
日本は大手が2社あって寡占化が避けられていることが利用者の利便性向上につながってきましたがまだまだ不十分です。過度な業界再編は今以上に競争が不十分になりかねないので、極端な議論にならないようにすべきです。新卒一括採用を見直す声が徐々に上がっていた昨今ですが、こういう形でその中断や凍結が起きてくるとは誰も予想しなかった。コロナの影響を鑑みれば、おそらく追随する企業はあるものと思います。
ANAを志望されていた21卒の方はもちろんのこと、就活予定の学生の方は不安のことと思いますが、ビジネスがどのような状況であっても、どこかで誰かが優秀な人材を欲しているのは間違いないことであり、加えて此の期に及んで「新卒で無ければ入れない」ということを貫くようなあれば、そもそもその企業の未来はあまり明るくないのではないでしょうか。ANAからは本日「重要なお知らせ」として、会員に対し「ANAプレミアムメンバーステイタス 2021年度継続のご案内」メールが出されています。
5月5日付のヴァージンの記事に対して「自社へのロイヤルティを確保し、将来への収益を守ることが急務」とコメントさせていただきましたが、まさにそれに沿ったアクションだと思います。今が踏ん張り時ですので、航空会社各社には何とか耐えて頑張って欲しいです。