米短期金融市場、12月のマイナス金利導入を織り込み開始
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以前のピックでも書きましたが、米国政府は急増する財政ニーズの大きな部分を、少なくとも当面はTBの大規模な増発で賄う可能性が高いと思います。これに対して当面の景気を考えると、FRBとしては短期金利に上昇圧力が生ずる事態は何としても回避する必要があります。
しかしFRBは、TB買入れの規模の拡大や政策金利のフォワードガイダンスの強化によってこうした目的を達成することができるはずです。それでも不十分な場合にも、FRBは、かねて極めて否定的なマイナス金利よりも、中短期ゾーンのイールドカーブコントロールを選択すると思います。
そうした状況にも拘らず、市場の一部にマイナス金利の思惑があるとすれば、FRBが政府の要請に応じて国債費の抑制に協力する事態を想定している可能性があり、それはそれで留意すべきことだと思います。これまでのFed内の見解は、マイナス金利政策に関しては否定的だった。
にもかかわらずマイナス金利をやるとすれば、かなり厳しい状況を想定することになる。
12月のマイナス金利導入があるとすれは、①約100年前のスペイン風邪と同様、秋から冬にかけて感染の第二波が到来、②早すぎた経済解除で夏以降に感染が再加速、のいずれかのシナリオを描いていると考えられる。アメリカが先にマイナス金利深掘りして、日本がそれに追従するなら恥ずかしい。しかし、ゼロ金利(最近でもマイナス0.1%も殆どゼロ金利)を長く続けて、更に負のショックがあるなら、回復はマイナス金利深掘りしかないだろう。アメリカがマイナス金利深掘りに成功しないと日銀は踏み出せないなら、まずはアメリカの成功に期待するしかない。