製鉄所で生まれた鉄鋼スラグが海を蘇らせる!もう一つの“地産地消”
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製鋼スラグには耐摩耗性や水硬性があり、道路のアスファルトコンクリート骨材や路盤材として利用されるのが大部分ではありますが、成分が適しているということで一部はセメント原料として受け入れられてきました。その他、酸化カルシウム(CaO)、二酸化ケイ素(SiO2)などの成分は肥料成分とも言われ、肥料や土壌改良剤として利用可能ですが、スラグ=工場発生物といった意識が払拭できず、利用量は非常に少ないです。
このように、現在は道路・セメント関連で使用されるのがほとんどである中で、この需要は長期的にみて国内では縮小傾向であるため、海洋への利用はこれを補う意味合いもあると思われます。
肥料利用も海洋改善材も、工業活動に伴う工場発生物・副産物・廃棄物といったようなイメージを改め、成分の有効性・安全性を示した上で普及拡大していく必要があると思います。イメージアップの意味で、「地産地消」「海の森づくり」といったキーワードは訴える力が強く、効果的であると思います。海の砂漠化とも呼ばれる磯焼け対策で鉄鋼スラグを利用する再生事業は20年近く続いているはず。最近では海の生物が吸収・固定する炭素を「ブルーカーボン」と呼ぶようになり、沿岸生態系の管理は気候変動対策としても注目が集まっています。
「鉄を利用した海の森づくり」
なんともステキな言葉。
弊社もかつて伊豆半島の漁礁事業に携わりました。軽量の鉄骨で組んだ高さ30M、総重量20トンクラスの櫓を海中に沈めます。その鉄骨の櫓には、プランクトンや藻が良く付き、魚の格好の住処となります。きっと伊豆半島の美味く豊富な海の幸に一役買っていることでしょう。
鉄って魅力的な素材だと思いませんか?