「イージス・アショア」秋田市の候補地を事実上断念 防衛省
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注目のコメント
地方紙の粘り強い報道が、決まりかけていた政治を動かしました。ジャーナリズムの力ですね。新聞協会賞となったことも頷けます。
この問題は「迷惑施設を地元に作るな」という話とは違います。北朝鮮のミサイル発射が相次いだ2017年夏に米国から買うという話が浮上し、その年末に導入が閣議決定。買うことが決まっていて、どこに置くかを決めていなかったという話です。しかもこれからイージス艦を増やす予定もある。
順序を追っていれば、秋田側も文句は言えなかったでしょう。ただ、あまりに手順がずさんでした。「国益を左翼系メディアが損なっている」という話ではありません。一連の動きを踏まえたうえで、そうしたコメントが出てくるとすれば、とても不思議です。
なお朝日新聞が、記事が出た当時の社長で、記者出身の小笠原直樹相談役のインタビューを載せています。一部、引用します。
https://digital.asahi.com/articles/ASM9N5T5HM9NUTFK01C.html
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――防衛政策の記事でも「国民の生命・財産を守るために防衛は必要であり、その負担は日本のどこかが引き受けねばならない」という政府の立場とどう折り合いをつけるかにいつも悩みます。その点はどうでしたか
防衛政策の知識のない者がこういうことを言っていいのかという思いはありました。日本の防衛に絶対に必要な兵器で、配備の最適地がここだというならば、仕方がないという気もします。迷惑施設だから秋田に置くな、ということではないんです。
でも、北朝鮮のミサイルに対応してきた海上自衛隊のイージス艦がこれから8隻に増えるのに、地上に置く必要はいささかもないのではないか。地上に兵器をどんと構えても脅威はなくなるどころか、狙われる脅威が高まるのではないでしょうか。海洋国家・日本に地上イージスは不要です。北朝鮮や中国の脅威があるなら、それを減らす外交努力をもっとすべきです。はじめに結論ありきなのに、いい加減な調査結果でそれを後付けする理屈をつくり出し、ごまかし切れるとふんだ結果です。この罪は重く、撤回は当然です。
今後、イージスアショワの候補地の選定は大変でしょう。秋田県が納得するとは到底思えません。県外で新たに選ぶにすれば辺野古と似たような状況が現れると思われます。そもそもイージスアショワが必要なのかという議論になるでしょう。もし大統領選の結果、トランプ政権が終わるとなれば、話はさらに複雑になります。
防衛省のデータの誤りを突き止めたのは、地元の秋田魁新報の調査報道です。新聞協会賞に輝きましたが、受賞云々を超えて、歴史を刻む素晴らしい仕事でした。同じ新聞人として改めて敬意を表します。「防衛省は全国2か所に配備する「イージス・アショア」で日本全域をカバーするためには秋田県内への配備が望ましい」ということなので何とか秋田県の中で配備地が見つかるといいのですが。しかし左翼系メディアは次の候補地でも反対の主張をし、最終的にはイージス・アショアを配備させないことを意図しているのでしょうね、、、と思われるしかないような報道の仕方になっています。
新型コロナの災禍からいち早く脱し、経済でも宇宙でも軍事でも突っ走ろうとしている中国にどう対処するのか、金正恩が本物なのかも確定していないという不安定な北の情勢を前に、日本の防衛で何が必要なのか、その上でイージス・アショアをどうすればいいのか、左翼系メディアには、反権力、反安倍というポジショントークだけでなく、どうすべきなのかという意見を聞かせてもらいたいものです。特にPro Pickerの方々には。十分に時間と手間をかけて、住民の了解をえてからすべしなどという、非現実的な答えだと本当に終わりますよ。