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「甘太郎」や「La Pausa」など居酒屋やレストランを複数ブランドで全国展開。レインズやカッパ・クリエイトを子会社化し、有力ブランドを拡充。
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【財務】
コロワイドと大戸屋の順で、以下(2019年3月期実績の丸め数値)のようになっている。PLでは大戸屋が1/10ほどだが、BSだとコロワイドはこれまでの買収含めてのれんが多く、またレバレッジも効いている。
足元のコロナの状況でのれんの減損リスクは気になるが、常時であれば自社店舗に投資をする代わりに買っててこ入れ投資をするという位置づけに見える。
売上:2500億円、250億円
粗利:1400億円、140億円
EBITDA:150億円、12億円
営業利益:50億円、4億円
総資産:2200億円(うちのれん約750億円)、100億円
有利子負債:1400億円、15億円
株主資本:350億円、45億円
営業CF:160億円、12億円
投資CF:70億円、8億円
時価総額:1100億円、約150億円
【事業】
記事にある通り、ポートフォリオでカニバらないのとブランドがポイント。メニューの発想などの言及もあるが、多分それより今まで時間をかけて消費者の認知を取ってきた時間を買う。
一方でセントラルキッチンは、大戸屋のポリシーと反する。主観も入るが、セントラルキッチン方式のやよい軒より大戸屋の方が美味しいと感じる。ただセントラルキッチンだとダメというわけでもなく、サイゼリヤはやはり美味しい。
レストランは、個店の経営とチェーン経営は違う。個店は特徴をウリにできるが、チェーンの場合はセントラルキッチンや調達力、好みが変化する中でのブランドマネジメントが重要。その意味で、良くも悪くも①のコロワイドの大戸屋に対する提案は、その王道を行くロジカルさではある。ただそのときに、他のチェーンがやる定食との差別化を維持できるかがポイントで、店内調理はその最たる点だった。真似しにくいことが障壁になるのは②のHUBや③の丸亀製麺でも同じ。ただアイデンティティともなっていると変えにくく、逆回転したときにそれが足を引っ張るのもリアル。
①https://ssl4.eir-parts.net/doc/7616/tdnet/1816321/00.pdf
②https://newspicks.com/news/4602473
③https://newspicks.com/news/4710860
それにしても、多くの大企業トップがコンプライアンス云々で強い発言を控えるようひなった今、コロワイドがここまで踏み込むとは思いませんでした。
「仮に、今回の株主提案で負けたとしても、我々はまたやります。株主提案なりTOB(株式公開買い付け)なり、何度でも。
我々はその中で1勝すればいいわけですが、彼らは全勝しなきゃいけないんです。そのうち一つも取りこぼさないでいけるかと言ったら不可能だと思いますよ」
どれだけ綺麗事を並べても結局ビジネスは勝つか負けるかなので、こうした発言にはスッキリします。
ソーシャルディスタンシングを考えれば、単純計算で今の半分の座席しか使えない。売り上げ半分のまましばらくは走りつづけなければならない。これは厳しいですね。
また今後「食」を通じて、病院食や介護施設、老人ホームの給食を手広くやりたいと、
ここで具体的な事業案も挙げています。
https://www.amazon.co.jp/一橋ビジネスレビュー-2016-Autumn-64巻2号-雑誌/dp/4492820736
大学生のときに『一橋ビジネスレビュー』で藤原雅俊「大戸屋 店内調理の海外展開」を読みました。
この年は創業者の長男で大株主だった三森智二氏が大戸屋取締役を辞任した年だったようで、
もしかしたら変革の年だったのかもしれません。
玉石混合という言葉で表現するように、
外食産業は限られたお客さまの胃袋の争奪戦。
今後伸びる市場とは考えられない給食業界に一石を投じるのは、
勝てる業界でコツコツと実績を積もうとする迫力があります。
コロナ禍の真っ只中で、見方によっては買収の進め方には問題があります。
しかしキャッシュが必要な時期に行動するコロワイドは、
今までも再選案件が多く、
記事にはありませんが、私が知る範囲でも「フレッシュネスバーガー」や「かっぱ寿司」がその例です。
アフターコロナ時代に向けた営業戦略も既に組み立てているようです。
あえて今行動するのは、この厳しい現状で大戸屋のフランチャイズ加盟店が潰れたり離脱しては遅いと判断したからといいます。
運転資金があるコロワイドに任せて、
大戸屋を継続して運営するのか、
追って見ていきます。
とはいえ、このコロナ禍でキャッシュも厳しい状況でも欲しいブランド力とノウハウというのもよく分かります。逆にこの手のM&Aはコロナがあるから急がないとという感じでしょうか。
大戸屋はこの両方の役割を果たせる良い店だが、チェーン拡大が進んでデートで行くことはほとんどなくなった。僕は正直に言って、大戸屋に手作り感のようなものを特に求めてない。
確かにコロワイド側のコメント読んでも正直シナジー効果が見えませんでした。
ただ株式上場している以上は、理念より力学で押し切るのも当然かと思う。結局、大戸屋の業績が芳しくないという事実は大戸屋株主ひいては利用者への裏切りに等しいとも言える。