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今私が取り組んでいるのは冷凍できる生クリームや牛乳🥛を始め寿司🍣や肉🥩魚🐟です。これは素材自体を加工するのではなく凍結の速度を追求したシステムです。水を小さな球体で凍らせる事で解凍後のドリップがでない仕組みです。
この冷凍システムは家庭やレストランでも活用できるようになるはずです。
廃棄率の高いお刺身のツマを無くし、底部のふくらみによりボリューム感を持たせる容器は、確かに食品ロスに繋げることのできる、時代に即したものだと思います。ただ、トレーは見た目の華やかさやボリュームのために採択されている面が大きい。鮮度等を鑑みると、必ずしもトレーである必要はありません。なお、生分解性のバリアー材についての紹介もありましたが、食品容器の回収処理の仕組みが整っている日本で、食品トレーの生分解機能は必要であるとは限らず、むしろ生分解性でないプラスチックにそれが混入することにより、リサイクル性が落ちる懸念があることも、お伝えしておきたいです。
トレー以外の売り方としてはどのようなものがあるでしょうか。まず、トレー入りの魚よりも真空圧着パックとしたほうが、廃棄期限の延長や家庭での保存期間長期化に繋がり、総合的な食品ロスは少なくなるはずです。(見た目はかなり寂しくなるので、帰って皿に盛りつけることが前提のブロック状の刺身や一尾魚から始めたほうがよさそうですが・・・。)
また、スライスされた刺身をトレーで販売することを極力少なくし、基本的には一尾またはブロック買いとし、どうしても必要な場合のみスライスのオーダーをし、経木で包んでもらうというような少し昔風の仕組みに立ち返ることも、小売り段階での食品ロスを防ぎ、且つ食べる際の華やかさや満足感にも繋がるものと思います。
容器包装メーカーは今後の戦略として食品ロスコンシャスな容器を次々に打ち出してくると思いますが、そもそもその容器が本当に必要なのか、売り方を変えることで食品ロスを防げる方法はないのか、というところから考えていくべきだと思います。
ちなみに・・・
食品ロスは確かにSDGsにも含まれていますが、一時的にトレードオフになりやすい他の目標にも目を向けておくことが必要です(例えば、高機能包装材・容器が増える=プラスチック製品が増える、生産現場で急速冷凍する技術が普及する=電力使用量も増える、などがあります)。
「食育」は子ども達ではなく、科学メーカーの経営者や技術者にも必要なのかもしれません。「命を頂く意味」を理解した上で技術開発をしてもらいたいと思います。
決して、食品の美味しさや食感を保ち、長持ちさせることが最終目的ではないはずです。
私が農水省(出向)にいた頃には省内最大予算規模の委託プロジェクト研究の企画・編成業務を担っていたのですが、時代がやや異なりフードロス対応のテーマ立ては着想がなかったです。(多少近かったものでコールドチェーンがありましたが、目的がまったく異なります。)
実は娘がこのコロナ直前にカナダでフードロスのボランティアに行っていました。大学生・高校生にもこのテーマは目に留まっているようなので、社会システム構築から技術開発、人的リソースの確保などもしかしたら一気に進むかもしれません。特に梅雨や夏が近づく今の時期、飲食業界から重宝されるブレークスルーが生まれることを期待します!