銀行が核兵器関連企業へ投資自制 全国調査、禁止条約支持も
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この調査は元々スイスのNPOであるICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)が毎年行っているものです。
日本での事務局はピースポートが担当しています。
恐らく共同通信が後追いのアンケートをしたものでしょう。
実際の報告書にはどの銀行がどの企業にいくら融資したのかきちんと明示されていますが、日本の金融機関が融資を行っている核兵器関連企業として名前を挙げられている主な企業は以下の通りです。
エイコム(アメリカ) 設備、設計エンジニアリング業
エアロジェット・ロケットダイン(アメリカ) 航空宇宙業
エアバス(オランダ) 航空機製造業
BWXテクノロジーズ(アメリカ) 原子力関連業
CH2Mヒル(アメリカ) 建設業
フルーア(アメリカ) エンジニアリング業
ジェネラル・ダイナミックス(アメリカ) 産業機器製造業
ロッキード・マーチン(アメリカ) 防衛産業
ノースロップ・グラマン(アメリカ) 防衛産業
オービタルATK(アメリカ). 航空宇宙業
ほぼアメリカの企業で他の核兵器保有国、ロシア、中国、フランス、イギリス、インド、パキスタン、イスラエルなどの企業は元々調査対象に含まれていません。
これがどのような政治的な意味を持つのかの判断はお任せしたいと思いますが、これらの企業はどれもフォーチュン500にも名を連ね、様々なインデックスにも採用されている有名な大企業ですから、株式投資や融資の対象になるのは自然なことです。
これらの企業を核兵器関連企業とレッテルを貼るのなら、大抵のアメリカ人は、核兵器関連企業に投資をしていることになってしまいます(401Kなどの年金銘柄にもなっているので)
正直ボーイングやエアバスに投融資をしなければ、核兵器禁止を支持したことになり、核兵器廃絶につながると言うのは個人的には今ひとつピンとこないところですね。これは興味深い。ESG投資という流れで核兵器関連企業への投資(融資?)自制ということなのだろうが、輸出管理のような罰則規定があるわけではないので、厳しくデューデリをやって…ということではなく、一般的な原則なんだろうけど。そうなると日本で明確に核兵器開発に関わる企業はないはずなので外国企業を対象とするものになるのだろうな。
こうした銀行の対応は、ESG投資が進んでいく中、アセットオーナーからのプレッシャーが銀行側に向けられていることや、欧州が中心となって進めるサステナブル・ファイナンスによる銀行規制にESGが盛り込まれていくことを視野に入れれば当然の流れだと思います。
そもそも日本国内では法律で禁止されている事業に海外なら融資をするとのスタンスは、説明がつかないです。核兵器関連やクラスター爆弾などの軍事関連や大麻関連などは典型です。
これは、銀行の融資だけでなく運用の世界でも同様の傾向になると思います。特に、パッシブ投資(インデックス投資)には普通に組み込まれています。説明責任が運用者側にも求められてくることでしょう。もちろん、そんな投資をする投資家側にも、そしてインデックスを提供するベンダー側にも。