Gilead Sciences develops and markets therapies to treat life-threatening infectious diseases, with the core of its portfolio focused on HIV and hepatitis B and C. The acquisitions of Corus Pharma, Myogen, CV Therapeutics, Arresto Biosciences, and Calistoga have broadened this focus to include pulmonary and cardiovascular diseases and cancer.
ギリアドから公表されているのは、レムデジビルを5日間投与した患者と10日間投与した患者の比較試験の結果です。この2つのグループで投与後14日目に改善した患者の割合に大きな差がなかったこと(両者ともに6割強)を示しました。
これは、少なくとも薬を10日ではなく5日間投与すれば同様の効果が得られることを示唆し、薬の供給が限られた中、より多くの患者に投与できる可能性を示したものですが、投与しなかった場合との比較、すなわち正確な有効性の評価はできません。
明日以降、イタリアの患者を除いた患者の「死亡率が7%に改善」(イタリアの患者を含めると10%程度)などと数字が躍りそうですが、対象患者は人工呼吸器を装着していなかった方で、「14日目の死亡率」を示しただけなので、厳しい見方をすれば「まだ亡くなっていないだけ」の方が多く含まれている可能性を残し、一般的な重症患者と比べて「7%に改善した」と言うことはできません。
しかし、投与患者の約6割が14日時点ですでに退院していること、10%以上に見られた副作用は嘔気のみと考えられ、重篤な副作用は数%にしか見られていない(しかし、7%程度は副作用で治療中断している)という安全性の報告はポジティブなサインです。
正確な有効性データは、5月中に報告される予定のプラセボとの比較試験(second SIMPLE trial)の結果を待つ必要があります。
(追記)このプレスリリースの後、NIHからプラセボと比較したsecond trialの途中経過も報告されました(こちらはまだ完了していません)。回復までの期間が4日間程度短縮していますが、死亡率に現時点で統計学的有意差はついていません。ただし、途中経過なので、やはり最終結果を待つ必要があります。
このような未熟な結果ではありますが、FDAは米国での流行状況を鑑みてこのような結果でも緊急承認をする可能性はあると思います。
投与を5日したグループと10日したグループで結果は同じだった。つまり5日投与すれば良い、というところがPrimary endpointに見えます。そもそもの投与による有効性自体を精査するものではなかったかもしれませんが。
こういうときこそプロの解説がほしいところ。
https://www.gilead.com/news-and-press/press-room/press-releases/2020/4/gilead-announces-results-from-phase-3-trial-of-investigational-antiviral-remdesivir-in-patients-with-severe-covid-19