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しかしこれだけでは不十分なことが多いことも事実です。
実際にCOVID-19、コロナの肺炎の方の診療を担当すると、こちらが驚くほどに自覚症状が軽い例が多いことに気づきます。血中の酸素濃度が下がり、酸素投与治療が必要になっていても本人はそれほど苦しがっていないのです。
この状況への説明には、医学的には血中の二酸化炭素が溜まっていないからなど様々意見はあります。しかしそういう例が多いのは事実です。
そしてその状態がじわじわ続いて、さらなる急速な悪化が重なり呼吸ができなくなってしまう。その時に人工呼吸器などの適切な治療ができなければ救命は難しいです。
そのため基本的な考え方としては、一般の方が自分自身や家族の症状だけを見て重症度を判断できるのは一部の方に限られると思います。現状の日本の感染者数であれば、早期にホテルなどの宿泊施設の体制を整えてより多くの無症状、軽症者の方を収容できるようにすることが何より大切です。
あくまで、緊急性が高い『可能性のある』症状、であることを当事者の方々によく理解して頂いて、
該当する方はバイタルチェックの頻度を増やしたりとか、
急な重症化により失われる命を少しでも減らせれば、という取り組みかと。
一方、これらは正確には、緊急性が高い「可能性が高い」症状です。もちろん該当した場合にご連絡頂くことは大切ですが、これらが該当したから、イコール肺炎、イコール重症化というわけでもありません。あくまで「可能性が高い」だけであり、実際には医師が診察して、軽症だった、別の原因だったということもありえます。
なお、「呼吸数」の記載がありますが、呼吸数は1分間に20回を超えると「増えている」と判断されます。数字で判断したいという方は、15秒間ないし30秒間「吸って吐いて」を1回として何回呼吸しているかをカウントし、1分間あたりに直してみてください。20回を超える場合には、呼吸数が増加している可能性があります。
記事中には『「胸の痛みがある」「肩で息をしている」「脈がとぶ」といった12項目の症状。』と12のうち、3つしか書かれていないのは、不親切だと感じるのは私だけでしょうか?
※個人的な見解であり、所属する会社、組織とは全く関係ありません