ボーイングとエンブラエル、民間機事業の統合中止
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昨今は100席以下のいわゆるリージョナル機ではなく、同じ運航経費でより多くの旅客を収容できるような機体を開発する方向にあります。写真のE195-E2はLCC仕様なら146席も収容することができ、737やA320と直接競合することすらできる、有力な新機種となっています。
ボーイングにしてみれば、下手に競合するよりは味方に引きずり込んで、という意図があったのですが、昨今の資金難でそれがだめになった、というだけの話であると思われます。
エンブラエルにしてみれば、ボーイングとの競合こそなくなるものの、そこまでメリットの大きな話ではありませんでしたので、引き続き我が道をいく、ということになるのでしょう。
リージョナル機の主な市場は北米(大手航空会社の傘下で、ハブ空港へのフィーダー路線を運航)にありますが、100席以下の機体は全世界でもせいぜい3000機ほどでそこまで大きなマーケットではありません。一方、100~200席クラスの機体は15000機あり、また今後の伸びも最も大きいと見込まれているマーケットで、この部分をすでに押さえているボーイングとエアバス、そしてそこに切り込むエンブラエルという構図になるでしょう。
ところで三菱については、まず飛ばすのが先で、どの市場にどう切り込むかを議論する段階にありません。なんと!
下記は2018年の合意時のPick。47.5億ドルという評価額だったが、MoU締結でNon-bindingだった。2年ほど前で、その後を逐一フォローはしていないが、Non-bindingのままだったら特に違約金は発生しない?
下記でコメントしたり、記事にもあるようにAirbus+Bombardierとのフルラインアップの競争という文脈での統合だった。中止となったことで、リージョナルジェットについてはフルラインアップのAirbusがこれからどう進めていくかも注目。
https://newspicks.com/news/3152796
<追記>下記が両社のプレス。Boeingとしては当初契約に基づきく中止する権利の行使(Embraerがいくつかの必要な条件を満たさなかったから)という発表。Embraerは「Embraer says that Boeing wrongfully terminated the Master Transaction Agreement」というリリースタイトルからして完全否定モード。Boeingが現在の財務状況などを背景に契約を執行したくなかったから恣意的に遅らせたりした、と。そして被った損害等について賠償を求めていく、と。
Boeing:https://bit.ly/2yGf2Ge
Embraer:https://bit.ly/2VDRfjm
そして現在進行形でTweetされているが、@tsuchie88さんのTweetが航空会社も含めての影響を議論されていて、すごすぎる!
https://twitter.com/tsuchie88
<追記終>民間機の強者連合が出来上がるかと思いきや、交渉決裂。開発遅延の三菱スペースジェット(旧MRJ)は新会社が出来ていたらさらに販売苦戦になりそうとの見方もありました。ただMSJは問題が山積しているのと、元々エンブラエルは販売力かあるので現状からパワーバランスはあまり変わらないと感じます。エンブラは話を聞くほど運航する航空会社の声を拾っていて、三菱は大丈夫?と毎回思います。