トランプ氏推奨薬に注意 FDA、心臓異常や死亡例
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「抗マラリア薬」と書かれるため、マラリアがほとんど問題にならない日本ではあまり関係がないと思われるかもしれません。しかし、このヒドロキシクロロキンには免疫調整作用が知られており、全身性エリテマトーデスの患者さんなど日本でも数多くの方が内服されています。
また、あらゆる薬剤が市販されている国もあり、オンラインで入手できてしまう可能性もあります。コロナウイルス感染症の蔓延に伴って、誤った用いられ方が広がっていないかは日本でも同様に懸念されることです。
あらゆる薬剤が、有効性と副作用の両面を持つ諸刃の剣です。それはサプリメントでも漢方薬でも同じです。医療の世界に100%はありません。常に有効性と副作用を天秤にかけ、前者の可能性が後者を上回るとき、初めて薬剤が処方されます。そして、人や病気が変われば、その天秤は変わります。なんでも飲めば良い、なんでも避ければ良いではなく、両側の物差しを持っておくことが大切です。ヒドロキシクロロキンはQT延長という副作用があり、QT延長は突然死の原因となる不整脈です。医者でも要注意な管理が必要。仮に一般市民が自分で買えてしまったらあまりにも危険です。
おそらくヒドロキシクロロキンが効くという根拠はこの論文だと思われます（https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7102549/）。40人程度の「ランダム化でない」観察研究。軽症者を対象にしており、治療開始後6日後にPCRの陽性率が下がる、と結論したものです。
中身をみると、ランダム化試験で効くと結論される可能性もあると思います（エンドポイントにもよります）が、これからです。（ヒドロキシクロロキンを使い慣れている）現場によっては使われているようですが。
