中国、WHOに32億円寄付 国際協力を強調、米けん制
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逆効果になるかもしれません。
中国は国際協調を強調しているつもりなのでしょうが、中国が国連および国連専門機関に対する影響力を強めようとしていると警戒する米国や欧州の一部の国々は、余計に警戒感を高めると考えられます。
WHOがますます中国の言いなりになって中国の出先機関のような振る舞いを始めたら、各国の不信は高まり、中国だけでなく国連の権威も下がりかねません。国際社会にとって、良い結果とは言えないでしょう。
米国は、米国が出資しなければWHOは困るだろうと考え、米国の言うことも聞くように圧力をかけたつもりかもしれませんが、国際社会を二分化する恐れもあります。
中国の意図に警戒する国々もあれば、医療面でも経済面でも中国に頼らざるを得ない国々もあるからです。その主要な原因は、中国以外にそれら国々を支援する余力のある国や国際機関がないからです。欧州内でも、ドイツ、フランス、オランダ等は中国に対する警戒を強める一方、イタリアやセルビアは、中国の支援を歓迎しています。その外にも、EUが全く支援してくれないと不満を持つ中東欧諸国もあります。
中国の意図を警戒する国々が、国連に対する信頼を低下させれば、国連の国際問題解決能力も低下します。
WHOにとって中国の寄付はありがたいでしょうが、それとは別に、国際社会が中国に臨む情報開示を、WHOも毅然とした態度で中国に要求すべきでしょう。そうすることによって、中国の言いなりになっているというWHOへの批判を少しは緩和することができるかも知れません。内心こういう展開を懸念していたけれど、やっぱり・・・ 米国は次にどんな手を打つものか。手を打つにしても無視するにしても、国連機関を舞台にこういう形で米中の確執が拡がると、国連が世界の調整機関としての信頼を失い、機能しなくなって行くように感じて不安です。