全国の救命救急センター長たちが「医療崩壊」という言葉に違和感を持つ理由
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「医療崩壊」という言葉が飛び交っています。もちろん、絶対に避けなければいけない事態ですが、それはどういう意味なのか。定義があいまいなまま、不安感だけが増しているように思います。
さまざまな地域の救急現場を密着取材してきた笹井恵里子さんが、ベテラン救急医10人に取材したところ、医師たちもも「医療崩壊」という言葉の一人歩きに違和感を持っていることがわかりました。
笹井さんは、いま言われている「医療崩壊」は2つの意味にわけられると整理しています。ひとつは「通常の医療ができなくなること」、もうひとつは「人工呼吸器やECMO(人工肺)が足りなくなり、助けられる可能性のある命が助からなくなること」。そのうえで、こうした事実を記しています。
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今は何よりも偏りのない事実を知ることが重要だ。新型コロナウイルスによる国内の死者は現在186人(4月21日時点)。一方、厚生労働省の人口動態統計によれば、日本ではここ数年、年間10万人以上が肺炎によって死亡している。その9割が高齢者である。一日あたりに換算すると、毎日数百人の高齢者が新型コロナウイルス以外の肺炎で命を落としていることになる。
ウイルスに感染し、肺炎を発症して死亡するという過程は「新型コロナウイルス以外でも日常的にあり得る」ことを、大前提として理解してほしい。もしかすると「新型」でなく、冬の風邪の代表格である「旧型」のコロナウイルス感染による肺炎の死亡者数のほうが多い結果になるかもしれないのだ。
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多くの救急医が口をそろえるのは「新型コロナウイルス専門の病院を作ってほしい」という声です。ごちゃごちゃに混ぜられてしまうと、感染が広がり、医療体制は危機に陥ります。一方、大阪市では医療機関が連携を図ることで、そうした事態を防いでおり、病床に余裕ができるほどになっています。
現場で奮闘する医師たちの声に耳を傾けました。ぜひご覧ください。